マンガコンテスト「コロナマンガ大賞」の受賞作品が発表された。
【大きな画像をもっと見る】医師や公衆衛生の専門家が運営するプロジェクト・こびナビ(CoV-Navi)の一環として、新型コロナワクチンについての正しい理解の促進を目的に開催された「コロナマンガ大賞」。「こびナビ」の医師による解説動画をもとに、新型コロナワクチンのメカニズムを解説する「新型コロナワクチンの仕組み部門」、コロナ禍によって変化した生活や、新型コロナワクチン普及後の生活に向けた思いを描く「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)マンガ部門」「コロナと私たちの生活(フリーテーマ)イラスト部門」の3部門で募集をかけ、約1カ月で計99作品の応募が集まった。
審査にはこびナビプロジェクトのメンバーをはじめ、こびナビの活動趣旨に賛同した面々が参加。「町医者ジャンボ」のこしのりょうが審査委員長を務め、タレントのゆうこす、実業家および一般社団法人予防医療普及協会理事の堀江貴文、コルク代表取締役社長の佐渡島庸平氏、サイバーコネクトツー代表取締役社長の松山洋氏が審査員に名を連ねた。
大賞はマンガ家・15による「【衝撃の真実】【漫画でわかる!】新型コロナウイルスワクチンの正体」。「コロナと私たちの生活」マンガ部門の部門賞はマンガ家・筑濱健一による「スマイル~コロナ禍の漫画展~」、イラスト部門の部門賞は小学生のはーこによる「コロナに勝ったよ!」が受賞した。審査員特別賞のゆうこす賞には自営業のおちゃやまによる「Dr.リボソームの遺志」、ホリエモン賞には医師のとし@絵描き医による「ハートピース」、佐渡島賞にはマンガ家・医師の按図よしひろ(Dr.GAMES)による「コロナ病棟で働く医師の話」、松山賞にはマンガ家・画家・小説家のMonAmieによる「緑夜くぐり噺(りょくやくぐりばなし)」、メディカルノート賞にはこなみいっぺいの「ミッション・イン ザ ボディ-mRNA ワクチンの秘密-」、知念実希人賞には肉球せんせいの「あなた自身が、名もなきヒーロー。」が輝いた。
「コロナマンガ大賞」の受賞作品全9作品は、こびナビの公式サイトで公開中。また大賞はニュースサイト・日刊SPA!および FRaU(講談社)、佐渡島賞はFRaUおよびレビューサイト・東京マンガレビュアーズ、ゆうこす賞はWebマガジン・女子SPA!、ホリエモン賞と松山賞は東京マンガレビュアーズ、メディカルノート賞はメディカルノートで紹介される予定だ。なお「コロナマンガ大賞」の応募作品の審査と、受賞作品発表の模様はこびナビの公式YouTubeチャンネルで公開されている。
■ 大賞受賞作家・15コメント
今の状況で息子を守るために何かしたい気持ちがあり、コンテストが発表されたときに「やろうかな」と一瞬思ったのですが、自分の理解だけでは正確な情報を描けないので一旦諦めました。ですが、デンマークでRNAの研究をされているToshiさんが漫画を描けるパートナーを募集されていたのを知り、一緒に制作できることになったので応募しました。読んだ人が「否定された」「責められた」「傷つけられた」「置いてけぼりにされた」と感じないように描くこと、「怖いこと」「不安なこと」「わかりにくいこと」は、楽しめるように描くことを心がけました。実際に「このマンガを読んでワクチン打ちに行った」という方もいるらしく、とても嬉しかったです。
■ 部門賞受賞作家・筑濱健一コメント
昨年の10月、コロナ禍で落ち込んでいる大阪の商店街を少しでも明るくしたいという思いから、天神橋筋商店街で漫画展をしました(当時は緊急事態宣言やまん延防止措置は解除されていました)。ぽつりぽつりと色々な方がお越しになられ、自分の人生を絵に合わせて楽しそうに話をしていただきました。そのお礼にアクリル板越しに似顔絵を描かせていただきました。その時は、みなさんにはマスクをとって笑っていただいたのですが、似顔絵を描きながら「あぁ人の笑顔は素晴らしいなぁ」と改めて感じました。その時の「じわーっ」とした気持ちを皆様にシェアできたら幸いです。
■ 部門賞受賞作家・はーこコメント
母がコロナマンガ大賞に応募する漫画を描いているのを見て、自分も描いてみたいと思ったので応募しました。見た人が元気になるように、コロナに勝つ未来をテーマにしました。特に、明るい印象になるように、明るい色を使うようにしました。素敵な作品ばかりの中で自分が受賞をするとは思っていなかったのでビックリしています。でもとてもとても嬉しいです。
■ 審査員特別賞(ゆうこす賞)受賞作家・おちゃやまコメント
昨年のコロナ禍に長男を出産し、子供の予防接種の知識をつける中で、コロナワクチンにも関心を持っていました。身構えず気楽に読んでもらえるように、細胞を擬人化したパートと現実のパートの構成で、コンパクトな漫画を目指しました。ワクチン接種を何に例えるとわかりやすいのか悩んだ末に、誰しも経験のある「勉強」になぞらえて説明してみました。
■ 審査員特別賞(ホリエモン賞)受賞作家・とし@絵描き医コメント
元々絵を通して震災復興などの社会貢献活動をしており、「こびナビ」の活動に協力できればと思い応募させていただきました。平和に繋がる前向きな内容を隅々にまで描きましたので、意図を考察していただければ幸いです。医者の中でも毎日、実際に個人防護具を着て人工呼吸器やECMOを扱う事を専門とする身として、コロナマンガ大賞を通じて正しい知識が広まり、一人でも感染に苦しむ方が減ればいいと思います。
■ 審査員特別賞(佐渡島賞)按図よしひろ(Dr.GAMES)コメント
精神科医かつ漫画家として活動しています。この作品のテーマは「現実の共有」と「感謝」です。医療現場における感謝という感情を、脚色せず、たんたんと伝えるにはどうしたら良いかを工夫しました。医療的な事実に間違いがないよう、Dr.GAMESのスタッフが監修しました。多くの方に読んでいただけて嬉しいです。
■ 審査員特別賞(松山賞)MonAmieコメント
渡越中ですが、ベトナムでも感染は収まらず、中々辛い日々が続いております。社会の足並みの揃わない昨今ですが、自分が漫画を作ることで、ワクチンや医療関係者に対する信頼の輪が広がれば良いなと思いました。名誉な賞をいただきまして、大変光栄に思っています。
■ 審査員特別賞(メディカルノート賞)こなみいっぺいコメント
今回、「新型コロナワクチンの仕組み」部門に取り組むにあたり、とにかく簡潔で平明なマンガを目指しました。マンガですからね。スマホでサクサク読んでくださいませ。今大変な思いをされている方も、でっかい口開けて笑いあえる世の中が戻ってきますように。
■ 審査員特別賞(知念実希人賞)肉球せんせいコメント
長引くコロナ禍で心が荒み疲れ果て、誰かを英雄に祭り上げたり、逆に攻撃したり貶したり。でもそんな中、この2年で有効性が明らかになった「基本的な感染対策」を、淡々と続けてくれている多くの人こそが、感染拡大を食い止める重要なキーマンであり、名もなきヒーローなんだ、ということ。そしてそういう存在に医療従事者は深く感謝しているんだ、ということを伝えたいと思いました。今やっているその対策こそが意味があるとふたたび気持ちを新たに、多くの方がもう一踏ん張りできる一助になれたら心から嬉しく思います。