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パルコが医療ウェルネスモール「ウェルパ」を発表 心斎橋パルコに11月開業へ

2021年08月26日 18:32  Fashionsnap.com

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メインヴィジュアル Image by: パルコ
パルコが、ウェルネス領域の新規事業として医療モールの開発・運営事業に参入し、心斎橋パルコに「ウェルパ(Welpa)」を11月に開業すると発表した。パルコの主要顧客である20代~40代の女性をターゲットに医療から物販までサービスをシームレスに提供し、「病気になった時に行く場所」だけではなく「自分をケアする場所」となることを目指す。

 ウェルパは「Wellness Parco」の略称で、気軽に通える「ウェルネスの公園」のような場所にしたいという思いが込められている。施設内には産婦人科や皮膚科・美容皮膚科、歯科といったクリニックのほか、フェムテック製品を扱う物販スペースや情報発信のギャラリーなども用意。事業パートナーとして、医療マーケティング・医療施設誘致を行うスマートメディカルと、ヘルスケアオートメーション事業を手掛けるドリコスを迎えた。クリエイティブディレクターはarcaの辻愛沙子が務め、辻が手掛けたヴィジュアルにはアーティストPOOLを起用した。ラウンジ運営はフェムテック専門のオンラインストア「フェルマータストア(fermata store)」を展開するfermataが担当。同社にとってウェルパが初の常設店舗となるという。具体的な商品ラインナップは10月頃に発表する。
 パルコは、心斎橋パルコがJ.フロント リテイリングのグループ店舗である大丸心斎橋店と連絡通路つながっており、グループのシナジーを発揮しやすいとして1号店の出店先に決めたという。平日夜や土日も一部営業するほか、ショッピングの流れで気軽に通える商業施設ならではの利便性を強みに運営する。クリニックの予約や受診受付後の待合い呼出し機能などはスマートフォンによるオンラインサービスを活用し、将来的にはヘルスデータや生活習慣などの情報をもとに、サービスや商品をパーソナライズ提案できる機能の実装を目指すという。なお、出店先の10階フロアには東急ハンズが出店しており、同店舗ではビューティー・リラクゼーション商品を扱っていることからコラボレーションも視野に入れる。

 国立がん研究センターによる情報サービス「がん統計」によると、20代~40代の女性は同年代の男性と比較してもがんに罹患するリスクが高いという。また、厚労省の調査では、女性の健康診断や人間ドッグの未受診率が全世代で男性を上回り、30代女性に関しては半数近くにのぼることが明らかになった。この背景として、検診やヘルスケアの情報が浸透していなかったり、時間的・経済的に後回しにするなどの状況が要因となっているという。パルコはウェルネス事業を通じて健康実施層および関心層に加えて、習慣的にケアするためのアクションを適切に行えていない健康無関心層にもアプローチし、課題解決につなげる考えだ。ウェルパは社会課題解決型事業という観点から、売上目標などは非公開としている。

 パルコはウェルネスに関する取り組みとして、錦糸町パルコにクリニックを集積したフロアを展開しており、地元客を中心に利用されるなど館の売り上げに貢献していることから、ウェルパはその進化版と位置付ける。スマートメディカルの柴﨑望代表取締役社長によると、コロナ禍で商業施設から撤退する店舗の増加などを背景に「空室にクリニックを出店して欲しいという声が増えている」という。同氏はパルコとの協業を機に「地に足をつけてマーケティングを行い、新しい医療のかたちを模索していきたい」と意気込みを語った。