「おうち時間をともにする愛するペットを、思う存分自慢してもらいたい!」をテーマに展開中の、コミックナタリーのコラム連載「私とペット」。第27回には「あしたのジョー」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」など多数の作品を手がけ、現在はビッグコミック(小学館)にて「ひねもすのたり日記」を連載中のちばてつやが、15歳になる愛犬・ジロウと登場。出会った当時のエピソードから、現在の穏やかな生活まで、「空気のような必要さ」と語るジロウとの日々に迫った。
【大きな画像をもっと見る】取材・構成 / 増田桃子
■ 名前
ジロウ
■ 種別
柴犬(♂)
■ 誕生日 / 年齢
2006年2月16日(15歳)
■ 初めて出会った日の思い出
4兄弟仲良く元気に育っていたところをたった1人でウチに引き取られ、寂しくてたまらなかったのか囲っていたゲージをすぐに脱走し、よく鳴いていましたね。すぐにふてぶてしくなりましたが。
■ 好きな食べ物
スライスチーズが大好きなので、飲ませたいサプリメントなど包んで飲ませるときに重宝しています。
■ 好きな遊び
体力がありあまっていたときは激しく走り回るアグレッシブな遊びが大好きでしたが、歳を取った今は靱帯を損傷したこともあってゆっくりと気ままに散歩することです。
■ チャームポイント
我が家族のヒエラルキーの中で、勝手に頂点に近いところにいる図々しさですかね。ワシの奥ちゃんには完全服従ですが。
■ 好きなところ
みっしりと生えそろった柴犬独特の撫で心地ですね。こちらが元気のないときなどに寄ってきて「撫でさせてやらんでもないぞ」と。彼なりにこちらの様子を見ていてくれているんですね。
■ 定番の過ごし方
かろうじて残っている嗅覚を頼りにヨチヨチと散歩、あとは一日の大半寝て過ごしていますね。
■ ペットに対する思い
ジロウはなんというかサムライのようなところがあって、柴犬らしいプライドの高さがかわいいですね。自分のことを犬だと自覚しているふうではなく、なんなら人間であるワシなどは相当見下していますね(笑)。
こちらも「ペット」というよりも「人生の伴走者」として彼の「人格」を尊重しながら一緒に過ごしています。考えてみればずいぶん不公平な関係ですね(笑)。
■ 読者へのメッセージ
今の住まいに越してきてから現在まで、ウチには人間だけだった期間がほとんどありませんでした。家族のアレルギーのため猫が仲間入りしたのは少し後になりましたが。わざわざ「ペット」として積極的に迎え入れたことはあまりなかったのですが、ジロウは珍しく友人から譲り受けました。4匹のなかで一番足が大きくてしっかりしていたところが決め手でした。
さっきも書きましたがあまり「ペット」という感覚で付き合ってはいませんね。ベッタリとすることもないしまったく興味がないわけでもない、空気のような必要さ、というんでしょうか。でもコロナ禍の今は、そばで一緒にいてくれていることが本当にありがたいとしみじみ感じます。
■ ちばてつや(チバテツヤ)
1939年1月11日東京都生まれ満州育ち。本名は千葉徹弥。1956年にデビュー。1968年、週刊少年マガジン(講談社)にて高森朝雄とタッグを組み、ボクシングを題材にした「あしたのジョー」を連載し社会現象を巻き起こした。同作は1970年と1980年にアニメ化、1970年と2011年に実写映画化、1980年とその翌年にアニメ映画化がなされた。代表作に「1・2・3と4・5・ロク」「ハリスの旋風」「おれは鉄兵」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」など多数。2001年に文部科学大臣賞を受賞、2002年には紫綬褒章、2012年には旭日小綬章を授与され、2014年には文化功労者にも選ばれている。現在はビッグコミック(小学館)にて「ひねもすのたり日記」を連載中。