アルピーヌF1チームのエグゼクティブディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは、規則違反の可能性があるチーム間の協業を、FIAが厳重に監視することを求めると述べている。
来シーズンはF1の技術ルールとレギュレーションが大幅に改訂されるが、ブコウスキーはすでに緊密な結びつきを持つチーム同士が、許可されている範囲を超える研究開発をともに行うかもしれないことに懸念を抱いている。
昨年、レーシングポイントの新車RP20がその前年のチャンピオンであるメルセデスのマシンに酷似していたことが物議を醸した。レーシングポイントは、最終的にはライバルチームのブレーキダクトの設計を違法にコピーしたことでポイントを剥奪され、罰金を科された。
以前FIAの技術および競技コーディネーターを務めていたブコウスキーは、ライバルの設計をコピーする目的の3Dカメラと、複雑なソフトウェアシステムの使用を禁じたリバースエンジニアリングの新規則があるものの、同じことがまた2022年に起きることを懸念している。
ブコウスキーはそのような秘密裏に行われるコピー行為が、アルピーヌのようなグリッド上で他のどのチームとも緊密な協業関係のないチームの不利益になることを恐れている。
「協業によって得られる恩恵は違法であれグレーであれ、膨大なものだ」とブコウスキーは説明した。
「もしその種の協業が報われる年があるとしたら、今年だ。2022年に向けてね。つまり明らかにFIAが全体を監視するだろうと予想されるのが今年だ」
しかしながらブコウスキーは次のように認めた。
「他の人々のファクトリーで何が起きているかは分からないし、FIAがこうした行為についてどれほどのレベルの監視を行っているか分からない」
「独立系チームとして、我々がライバルと情報などを共有しているかどうか監視対象にならないのは明らかだ。なぜならそれは我々の利益に反することだからだ」
ブコウスキーは、アルピーヌはF1で10チームすべてが制限なく“容赦のない”戦いをすることを望んでいるとし、そうなれば裏側で協業を行う余地などないはずだと語った。
「チームが情報交換をしたいという共通の関心を持つ瞬間から問題になる。そうなるべきではない。ライバルを助けるべきではないのだ」
「懸念はあるが、どれほどのものかは言えない。私は人々を非難するつもりはない。なぜなら事実上私には分からないからだ。何も起きていないことを望んでいる」
「2022年に向かって明らかなことは、レギュレーションの大幅な変更、大規模な開発、マシンパフォーマンスの大きな改善、環境に非常に配慮した一連のレギュレーションができるということだ」