トップへ

SBK第7戦ナバラ:レディングが2勝。ラズガットリオグルは1勝を挙げ、ポイントでレイに並ぶ

2021年08月23日 09:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

チャンピオンシップを争うラズガットリオグルとレイ
スーパーバイク世界選手権(SBK)第7戦ナバラ・ラウンドが、スペインのナバラ・サーキットで行われ、レース1とスーパーポール・レースではスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が、レース2ではトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)が優勝を飾った。ラズガットリオグルはチャンピオンシップのポイントでジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)に並んでいる。
 
 また、SBKにフル参戦する野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は、レース1とスーパーポール・レースで11位フィニッシュ。スポット参戦の浦本修充(JEG Racing)はレース1の16位フィニッシュが最上位だった。

 ナバラ・サーキットでのSBKは初開催となった。今大会には、スペインスーパーバイク選手権(ESBK)に参戦する浦本修充がスポット参戦。今季、浦本がESBKに参戦するチームであるJEG Racingからのエントリーで、バイクはスズキのGSX-R1000Rを駆る。
 
 土曜日に行われたスーパーポール・レースでは、ポールポジションはレイ、2番グリッドはレディング、3番グリッドはトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が獲得した。野左根は15番グリッド、SBK初参戦の浦本は20番グリッドに並んだ。
 
■レース1:レディングが独走優勝
 レース1は気温30度、路面温度45度のドライコンディションで行われた。ホールショットを奪ったのは、2番グリッドのレディング。レイは一時後退したものの、6、7コーナーでレディングからトップを奪う。レディングは2番手に後退。3番手にはアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)、4番手にはラズガットリオグルがつけた。

 3周目に入るころには、トップのレイと2番手のレディングが3番手以下を引き離し、レイとレディングが一騎打ちでトップ争いを展開。2番手のレディングと3番手のロカテッリとの差は1.5秒以上に開いている。

 6周目、レディングがレイをメインストレートの加速でオーバーテイク。レディングがトップに立ち、レイが2番手に後退。また、その3秒後方では、ラズガットリオグルがロカテッリを交わして3番手に浮上した。トップに立ったレディングは次第にレイとの差を広げていき、10周目に入るころにはその差は1秒ほどに開いていた。その後も差は大きくなっていく。

 後方では、野左根がギャレット・ガーロフ(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)やマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)と9番手争いを展開。一時は9番手に浮上するものの、その後ポジションを落とし、13周目には11番手に後退した。

 レースはそのままレディングが優勝。最終的には2位のレイに対し、2.5秒以上の差をつけてのフィニッシュとなった。2位はレイ、3位はラズガットリオグルが入った。
 
 4位はロカテッリ、5位はロウズ。一時、9位争いを繰り広げた野左根は11位、浦本は16位でレースを終えた。
 
■レース2でラズガットリオグル優勝。チャンピオンシップでレイと同ポイントに
 日曜日の午前中に行われたスーパーポール・レースでは、優勝がレディング、2位がレイ、3位がラズガットリオグルで、レース1と同じ表彰台の顔ぶれとなった。野左根は11位、浦本は19位だった。
 
 スーパーポール・レースの結果により、レース2のフロントロウは、ポールポジションにレディング、2番グリッドにレイ、3番グリッドにラズガットリオグルが並ぶことになった。
 
 スタート直前、野左根にトラブルが発生し、スタートディレイとなる。野左根は手を上げてアピールしたのちいったんグリッドからピットウオール側へバイクを移動させた。これによりウオームアップ・ラップからスタートがやり直され、周回数は1周減算の22周となっている。また、野左根は最後尾スタートとなった。
 
 レース2は気温28度、路面温度41度のドライコンディション。スタートではポールポジションスタートのレディングがホールショットを奪い、2番手にロカテッリ、3番手にラズガットリオグル、4番手にロウズ、5番手にレイが続く。しかし5コーナーに入るあたりでロカテッリがトップのレディングにオーバーテイクを仕掛ける。ここではレディングがトップを守るも、そのすぐ後方にいたラズガットリオグルが二人をパス。ラズガットリオグルがトップに浮上してオープニングラップを終えた。
 
 2番手はレディング、3番手にはレイがつける状況。その後、レイがレディングを交わして2番手に浮上した。4番手にはサイクス、5番手にマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)のBMW勢が続く。また、最後尾スタートとなった野左根は好スタートを切って1周目で12番手にまでポジションを上げ、2周目には11番手に浮上している。

 トップのラズガットリオグル、2番手のレイ、3番手のレディングのトップ3は先頭集団を形成し、4番手以下を引き離していく。8周目を終えるころには、トップのラズガットリオグルと4番手に浮上したロカテッリとの差は3秒以上になった。
 
 一方、トップのラズガットリオグルには2番手のレイが接近。レイはテール・トゥ・ノーズでラズガットリオグルを追う。チャンピオンシップのランキングトップであるレイとランキング2番手であるラズガットリオグル。ポイントを考えれば、レイはラズガットリオグルよりも上位でゴールしたいところ。しかし、ラズガットリオグルはレイを抑えながら周回を重ねていく。
 
 レース終盤に入ると、レイは次第にラズガットリオグルから遅れ始め、反対に3番手のレディングとの差が詰まっていく。残り4周、レディングがレイを交わすも、レイがすぐさま抜き返す。レイは13コーナーで一瞬バランスを崩し、レディングはわずかにレイが失速したそのすきを逃さなかった。レディングはその先の14コーナーでレイをアウトからオーバーテイク。レディングが2番手に浮上した。
 
 ラズガットリオグルはトップをキープし、そのままフィニッシュ。今季6勝目を挙げた。レディングは2位、レイは3位だった。チャンピオンシップでは、ラズガットリオグルがランキングトップのレイと同ポイントの311で、2番手に浮上。優勝数の差でレイがトップをキープしている。
 
 野左根は12番手を走行中の最終ラップに5コーナーで転倒。惜しくもリタイアとなった。また、浦本は序盤にマシントラブルが発生し、リタイアとなっている。
 
 併催されたスーパースポーツ世界選手権(WSS)では、怪我で欠場中の川崎祥吾(G.A.P.モトズー・レーシングbyプセッティ)に代わり、今季はFIMエネルMotoEワールドカップを戦う大久保光が参戦。大久保は2020年最終戦以来となるWSSのレースで、レース1では12位、レース2では2周目に15コーナーで転倒。再スタートしたが、その後、リタイアとなった。