「予選でミスしてしまったことを自分で取り返し、トップで帰って来ることができたので、今までスーパーGTを戦ってきたなかでいちばん満足するスティントでした。優勝できて本当に最高です」という三宅、「優勝はメチャクチャ嬉しいですが、最後までヒヤヒヤするレースを作ってしまいました。でも結果は大満足です」という堤と、若きふたりがその才能を余すこと無く披露し、ついにたかのこの湯 GR Supra GTがスーパーGT初優勝を飾った。
土屋代表自身は、スーパー耐久参戦時からMax Racingのメンテナンスをつちやエンジニアリングで務め、エンジニアとしてたかのこの湯 GR Supra GTを自らドライブし、セットアップを担ってきた。自らが手塩にかけるHOPPY Porscheで、2020年の苦しい時期からヨコハマとともに開発してきたタイヤをたかのこの湯 GR Supra GTに投入し、それで勝てたのだ。
もちろん、担当したエンジニアとしては最高の結果だ。また、今春亡くなった父、土屋春雄さんは、たかのこの湯 GR Supra GTには関わっていない。「親父ぬきでこれだけのクルマを作ったということは褒めてくれると思う」と土屋代表は言う。そして、たかのこの湯 GR Supra GTは「まだまだ速くなる」とも。
自分で乗っているだけに、この結果も土屋代表にとっては分かっていたことだ。今回、たかのこの湯 GR Supra GTを先頭にヨコハマ装着車がGT300クラスのトップ5を占めたが、土屋代表は松井と佐藤に「オレたちが作ってきたタイヤがトップ5になった。そこは誇ろう」と声をかけたという。だからこそ、この結果は悔しいものだし、何よりHOPPY Porscheのドライバーたちの気持ちを考えれば、浮かない表情になるのは当然だろう。