アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、かつて自身が不可能だと思っていたことを成し遂げたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に対して、最大限の敬意を持っている。
何年にもわたり、ベッテルとアロンソは数多くのバトルを楽しんできた。10年前には、レースでの優勝やタイトルを争っていた。当時彼らの争いは緊迫したものだと言われていたが、ふたりの偉大なチャンピオンはお互いを尊敬しているというのが真実だ。
ベッテルはスペインの『Marca』に対し、「僕は彼とレースをするのが好きだ」と語った。
「今年の開幕戦ではフェルナンドが戻ってきて、僕たちはホイール・トゥ・ホイールのバトルをした。今年はもっとこのような争いを楽しみにしているし、何度かそういうバトルをしたのだから、僕はコックピットのなかで笑っていたよ」
「僕は常にフェルナンドとのバトルを楽しんでいた」
アロンソがF1での初優勝を挙げた頃、ベッテルはまだジュニアクラスのレースに参戦しており、当時は単なるひとりのファンとしてテレビを見ていた。
「2003年にハンガロリンクでレースがあった時、僕はテレビの前に座って、彼を見ていたことを覚えている。彼の才能は疑いの余地のないもので、コース上でのスキルはこのスポーツで見られてきたもののなかでも最高のものだったと思う」
だがアロンソのもうひとつの素晴らしい功績により、最終的にベッテルはアロンソを称賛したのだった。
「彼は僕が不可能だと思っていたことをやった。(ミハエル・)シューマッハーに勝ったんだ。僕が大人になった時、ミハエルはベストで、ナンバー1だった。彼を倒すことは不可能のように思えた」
「フェルナンドは彼を打ち負かし始めた。それは素晴らしい功績だと思う。そしてもちろん、彼には長いキャリアがあって、数多くの様々なマシンに乗ってきた。彼とともにレースができること、コース上で彼と戦えることを光栄に思っている」
一方アロンソとしては、ベッテルが示したあらゆる考えはお互いに共有しているものなのだという。
「率直に言えば、僕たちの間には多大な敬意がある」とアロンソは述べた。
「時にはコース上でハードに戦い、何度かチャンピオンシップも争った。2010年から2013年まではすべてセブ(ベッテルの愛称)の勝利だったが、僕たちがコース上で戦う時は敬意を示していた」
「日曜日だけじゃなくて、金曜日と土曜日にもたくさんのことがある。F1にいる大勢の人たち、特にセブのようなドライバーとコース上で戦えることは特権だ」