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アルファロメオ陣営にさらなる助っ人。第4戦で元伊F3王者のルイジ・フェラーラを起用/ETCR

2021年08月20日 13:51  AUTOSPORT web

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『PURE ETCR』第4戦に向け、39歳のベテラン、ルイジ・フェラーラの起用をアナウンスしたロメオ・フェラーリ-M1RA
8月20~22日の週末にハンガロリンクで争われるTCR規定採用の電動ツーリングカー選手権、PURE ETCR(ピュアETCR)第4戦に向け、ロメオ・フェラーリ-M1RAは同週末に開催されるル・マン24時間の2021年大会に参戦するオリバー・ウェッブに代わる助っ人ドライバーを発表。元イタリアF3王者でWTCR世界ツーリングカー・カップ参戦経験も持つ39歳のベテラン、ルイジ・フェラーラの起用をアナウンスした。

 また、シリーズからは初年度シーズンの後半戦カレンダー改訂もアナウンスされ、アジア・ラウンドのキャンセルに伴いフランスの有名な市街地戦で知られるポー市の西、約20kmに位置するポー-アルノー“E-サーキット”がシリーズ最終戦として追加されている。

 イタリア出身で地元のF3選手権とポルシェ・カレラカップのタイトルを獲得しているフェラーラは、当時の国内で人気を博していた独自規定のツーリングカー・シリーズ『Superstars International Series(スーパースターズ・インターナショナル・シリーズ)』で箱車デビューを飾っている。

 2010年代の同シリーズでは、現在ラリークロス界で世界王者として君臨するヨハン・クリストファーソンや、ロメオ・フェラーリの現マネージングディレクターであるミケーラ・セルッティ、同テクニカルディレクターのマリオ・フェラーリらがライバルとして参戦していた。

 そのスーパースターズやイタリアGTチャンピオンシップで複数の勝利を挙げているフェラーラは、2018年のWTCR最終戦マカオでロメオ・フェラーリ製のアルファロメオ・ジュリエッタTCRをドライブし、その後は欧州域内で開催されているEuro NASCAR(ユーロ・ナスカー)を中心に活動を続けてきた。

 最大500kW(約680PS)を発生する後輪駆動電動マシンでのデビュー戦を控え、イタリア中部にあるヴァラーノで1日限りのプライベートテストに参加したフェラーラだが、チームのレギュラーであるルカ・フィリッピとロドリゴ・バプティスタ、そして前戦コペンハーゲンで週末最多得点者“King of the Weekend”を獲得する鮮烈なデビューを飾ったフィリップ・エングとともに、ハンガロリンクでの共闘を誓った。

「ハンガリーでロメオ・フェラーリの戦線に加われることは本当に光栄だ。この機会を与えてくれた旧友のミケーラとマリオに改めて感謝したいし、素晴らしいパフォーマンスで彼らの信頼に報いたい」と意気込みを語ったフェラーラ。

■韓国ラウンドがキャンセル。代替戦はフランス、ポーが舞台

「2018年にはWTCRの最終戦で世界戦を経験しているし、このチームのことはよく知っているんだ。その同年には、彼らのマシンでTCRイタリアのタイトルを目指してフルシーズンをともに戦っているからね」と続けるフェラーラ。

「ハンガロリンクは素晴らしいトラックで、後輪駆動のハイパワーEVであるアルファロメオ・ジュリアETCRをドライブするのは最高に楽しいだろうね。ヴァラーノで少しだけテストを経験したけれど、それはそれは素晴らしいフィーリングだった。(現地ハンガリーの)高い気温は懸念材料だが、この挑戦を楽しみにしている」

 そのピュアETCRのシリーズプロモーターであるEurosport Events(ユーロスポーツ・イベント)は、10月15~17日に韓国のインジェ・スピーディウムで開催予定だった第5戦を、アジアへの渡航に関する「継続的な不確実性を考慮した」対策によりキャンセルすることを決定。代わって、最終戦をフランスのポー-アルノー“E-サーキット”で実施するとアナウンスした。

 この日程で実際に韓国戦を実現させるには、シリーズで使用するマシンやスペアコンポーネント、機器、インフラ類を運ぶコンテナ船が8月末までにヨーロッパを離れる必要があることから、いまだ世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響を考慮し、欧州域内の代替戦が採用される運びとなった。なお、このイベントはWTCRとの併催が予定されている。

「悲しいことに、2021年に入ってなおCOVID-19のパンデミックは多くの点で世界に影響を及ぼし続けており、その大きな弊害のひとつはさまざまな大陸で、渡航、セキュリティ、ロジスティクスに関して膨大な量の不確実性を生み出し続けていることだ」と説明するシリーズディレクターのハビエル・ガヴォリ。

「韓国でETCRがアジアデビューできなかったことは非常に残念だが、現地プロモーターの尽力には心から感謝したい」

「しかし、一方のドアが閉まるともう一方のドアが開くものだ。2018年の改修で近い将来“ゼロエミッション施設”になることを目指し、EV対応インフラとして恒久的な充電ステーションが設置されたトラックでレースが開催できることをうれしく思う。500kWを誇るEVツーリングカーの驚異的な可能性を最大限に発揮するイベントになるはずだよ」