トヨタGAZOO RacingからWEC世界耐久選手権第4戦/第89回ル・マン24時間レースに参戦している中嶋一貴は、現地時間19日木曜午後に行なわれたフリープラクティス3終盤でのクラッシュについて、チームを通じてコメントを発表した。
この日最初のセッションとなったフリープラクティス3は、14時からの3時間。トヨタ8号車はブレンドン・ハートレーが5周、セバスチャン・ブエミが15周をドライブしたあと、一貴がマシンを引き継いでいた。
一貴はコースに出てから7周目、ターン16(インディアナポリス)でクラッシュ。インディアナポリス自体は低速コーナーの部類だが、ミュルサンヌから続く全開区間を経てコース上における最高速に近いスピード(記録上の最高速計測地点は第一シケイン手前)からブレーキングを開始すること、直前でゆるく右にカーブしていること、ランオフエリアが極めて少ないことなどから、ドライバーたちからはサルト・サーキットのなかでも「注意を要するコーナー」との声が多く聞かれる。
映像を見る限り一貴はほぼ通常のコーナリングスピードレベルまで減速してからバランスを崩しているように見え、スピンしリヤからバリアへと接触したものの衝撃はそれほど大きくなく、一貴自身も無事で、マシンのダメージもボディワークのみで済んだ。
「最後は、難しいセッションになってしまいました。自分のミスです」と一貴はチームを通じてコメントしている。
「ターン16でブレーキをロックさせてしまい、クルマにダメージを与えてしまいました」
「衝撃はそれほど大きくありませんでしたが、トラックタイムを失い、ブレンドン(・ハートレー)のハイパーポールに向けた準備にも影響してしまいました」
「チームとチームメイト、メカニック、みんなに大変申し訳なく思っています。起きてはいけないことが起きてしまいました」
8号車はこのクラッシュでFP3のセッションは終えたものの、その後無事に修復され、現地時間21時からの最終予選“ハイパーポール”にはハートレーが出場し、僚友7号車の小林可夢偉に次ぐ2番手を獲得。さらにその後22時10分からのFP4のセッションでは、一貴自身も8号車のステアリングを握り、ナイトセッションを走行している。