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超工作のファンアート 呪術廻戦「伏魔御厨子」が現実世界へ領域展開

2021年08月19日 15:01  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

超工作のファンアート 呪術廻戦「伏魔御厨子」が現実世界へ領域展開

 「両面宿儺の領域展開『伏魔御厨子』を作ってみました」というつぶやきとともに、超工作テテさんがTwitterに投稿した写真。


 人気漫画「呪術廻戦」に登場する「両面宿儺(すくな)」が、劇中で繰り出す呪術「伏魔御厨子(ふくまみづし)」の技発動(領域展開)時に現れる建造物のフィギュアが紹介されています。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 普段から、様々なアニメ・漫画・ゲーム作品をモデルにしたファンアートを作られている超工作テテさん。


 今回は、「原作を読んでいて、もっとも作り甲斐がありそうなデザインで、『他で見たことないようなカッコイイものが出来るのでは?』というのが理由でした」という経緯で作ったそう。一方で、「正直、情報量不足は否めませんでした」と不安だった点も告白。様々な面で試行錯誤をされています。


 伏魔御厨子といえば、社殿のような外観が特徴的。超工作テテさんは、実在する社殿の建築様式も参考した上で、アニメ版と比較すると、全体的に落ち着いた配色の外観に。


 装飾部分に関しては、より「禍々しさ」が伝わってくるディテール。社殿の四方に構える大きく開いた口・無数に散乱している牛骨・屋根から突き出た角といった装飾が伏魔御厨子でありますが、こちらについては原作を忠実に再現。


 加えて、髑髏の飾りは鬼瓦へ、また木鼻にはクリーチャーのような骸を取り付けたりと、「情報量の少なさ」を逆手に取ったオリジナル要素も随所で展開。世界観を崩さず、かつ「邪悪」というワードが“ほめ言葉”になるという作品に仕上がっています。


 また、自身が伏魔御厨子に取りつかれた大きな要因でもある「無機質なものと生物感の融合デザインの面白さ」を作品へ反映していくために、塗装作業などにおいてもきめ細かいこだわりを見せています。


 「無機的なもの」については、社殿の柱部分は、筆塗りで塗装の劣化や剥がれを表現。「年季」が伝わる色合いに。


 「生物感」に関しては、複数の色を重ね塗りした結果、より「皮膚感」のある舌へ。


 ありとあらゆる部分で徹底的な作りこみをされていますが、超工作テテさんにとっては「建築物のようなものをミニチュア化するならば、こじんまりとした作品にしてはいけません。たとえ小さくても、迫力が出る作品にすることを心がけました」と、不可欠な要素。


 また、今回製作するにあたり、超工作テテさんが使用したパーツは3Dプリンタで出力されていますが、その総数は82個にもおよんでいます。


 専用業者に出力依頼をした大型パーツの一部を除いて、自身のプリンタにて出力したとのこと。これまた徹底的な下調べをした上で、出力画面にて表現していく姿は、自身の作風の領域展開力が存分に伝わってきます。


 とはいえ、それも「どれも“コピペ”で作ったように思われないように」というの熱意が根底にあってのもの。今回の投稿では特にその点が伝わったようで、国内外のTwitterユーザーから、作品に対しての称賛を集めることとなりました。


 そんな超工作テテさんですが、実は、原型・塗装を担当のアヤキさん(@kawazakana_a)と、原型・撮影&編集を担当のくろさわつさん(@kurok116)のコンビで活動。


 2人の共同作業で生み出された作品群は、Twitterの他にも、InstagramやYouTubeチャンネルで都度発信。今回の「伏魔御厨子」のメイキング映像に関しても、前後編に分けて公開されています。


<記事化協力>
超工作テテさん(Twitter/Instagram:@tete_chokousaku)


(向山純平)