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ポール・スミス、ふたたび。最新型とのコラボで「持続可能性」がテーマの『MINI STRIP』を発表

2021年08月18日 15:41  AUTOSPORT web

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2021年8月12日、ロンドンにおいてポール・スミスとのコラボレーションで開発されたワンオフモデル『MINI STRIP(ミニ・ストリップ)』がワールド・プレミアを飾った
2021年8月12日、ロンドンにおいてポール・スミスとのコラボレーションで開発されたワンオフモデル『MINI STRIP(ミニ・ストリップ)』がワールド・プレミアを飾り、自動車製造における持続可能性をテーマに、革新的なアプローチに主眼を置いたモデルとして「シンプルさ、透明性、持続可能性」を提示するスタディとして披露された。

 かつてオリジナル・ミニのモデルライフ終盤にも、自身の名を冠した『ミニ・ポールスミス』を設定発売した実績を持つファッション界の巨人は、2020年11月に告知された新世代コラボレーションの成果として、現行型となる3代目BMW MINIの3ドアに設定されるピュアEV『MINIクーパーSE』をベースモデルとし、全体的に「不要物を取り除き」、構造上の真髄にまで削ぎ落とされた、まさにSTRIP(ストリップ)なモデルを生み出した。

「伝説的なミニを新たな視点で捉え直す機会が与えられたことに、非常に感謝しています。従来のクルマにはなじみがあり大好きですが、私たちは伝統を尊重しつつ、未来を見据えることで実にユニークなクルマを作り出しました」と語ったポール・スミス。

 自動車に備わる要素を最大限に削ぎ落すことで、文字どおりミニマリスティックで高品質のデザインとされたミニ・ストリップは、数多くのディテールに工夫が施されるとともに、カラー塗装は使用せずボディはむき出しの状態とし、薄く透明な塗膜のみがボディを腐食から保護している。

 亜鉛メッキ鋼板は工場での研削痕を意図的に残しており、車両が紛れもなく実用品であり、頑丈な日々使用するアイテムであることを示す。この意図的にむき出しに見せる表面効果を、ポール・スミス自身は“完璧な不完全さ(the perfect imperfection)”と名付けた。

 また、MINI特有のブラックベルトのパーツは、再生プラスチックから3Dプリントされ、パネルと同様にむき出しの素材のまま。ロードバイクのパーツを自身で交換し、改良する自転車愛好家のポール・スミスの着想で、パーツには目に見えるボルトが使用されている。これにより取り外しの容易さを視覚的に訴え、ライフサイクルを終えた後に原材料サイクルにふたたび組み入れることがいかに簡単かを示す意図が込められた。

■むき出しの素材と強烈なブルーがインテリアに独特な美しさをもたらす

 3Dプリントによる独特の質感を持った前後のエプロン・インサートは、機能的で独特な印象を醸し出し、電気自動車で典型的な閉じたラジエーターグリルとホイールカバーは空気抵抗を低減し、理論上の航続距離を向上させるとともに再生プレキシガラス製を採用する。

 これにより軽量化だけでなく資源節約にも貢献し、同様に大きなパノラマ・サンルーフも再生プレキシガラス製として、内張りされていないむき出しの構造を見ることが可能となっている。また充電リッドは開いた状態でネオン・グリーンのカラー・アクセントを添え、リッド上の刻印されたコネクターの図案はポール・スミス自身が作成したものとなっている。

 インテリアでもドアを開けるとすぐに典型的なポール・スミスの5色のストライプが目に飛び込み、再生コルクを使用したダッシュボード、トッパーパッドやリヤシェルフを除いて、すべてのトリムパーツが意図的に取り除かれ、通常は複数のパーツから成るダッシュボードは、スモークガラスのルックスを持つ1枚の大きな半透明のコンポーネントのみで構成されている。

 クラシックなセンターメーターパネルに代わり、所有者のスマートフォンがその役割を担い、室内の唯一の触覚的な操作エレメントは、センタースタックの下にあるパワーウィンドウとスタート/ストップ機能用のトグルに絞るなど、むき出しの素材と強烈なブルーがインテリアに独特な美しさをもたらしている。

 これら内装にはレザーとクロームはまったく使用されず、シートはニット・テキスタイルでカバーされ、フロアマットは再生ゴム製に。ステアリングのリムには、こちらもロードバイクからインスパイアされたバーテープが巻かれた。

 今回のコラボレーションで、自動車デザインにおいて資源のより持続可能な使用のための新たなアプローチを模索したポール・スミスは、車両デザインの過程と実際の完成モデルを前に、次のようにコメントしている。

「ミニのチームは、車両デザインを作り出すに当たって新たな手法を取ることに信頼を寄せ、自由を与えてくれました。それは私にとってデザイナー冥利に尽きるものでした。私たちは本質的なものを洗い出し、アイテムを絞り込み、自動車から不要なものを取り除くことで、何かまったく特別なものを一緒に作り出した、と信じています」

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