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トヨタ内の接戦を制しロバンペラが3位表彰台獲得「全員が良い仕事をした」とラトバラ/WRC第8戦

2021年08月16日 12:21  AUTOSPORT web

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スパ・フランコルシャン・サーキットのグランプリコースを走行するトヨタ・ヤリスWRC(カッレ・ロバンペラ/TOYOTA GAZOO Racing WRT) 2021年WRC第8戦ベルギー
8月15日、WRC世界ラリー選手権第8戦ベルギーの最終日となるデイ3は、SS17~20が行われ、トヨタ・ヤリスWRCで参戦するTOYOTA GAZOO Racing WRTは、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合3位表彰台を獲得した。また、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合4位、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組は総合5位でラリーをフィニッシュしている。

 WRCイベントとしては初開催となったベルギーの伝統あるターマック(舗装路)ラリーの最終日は、初日と2日目の競技が行われた西部イープルを離れ、早朝から約300km東に離れたスパ・フランコルシャン・サーキットへと移動し、同地を中心に設定された2本のステージを各2回走行するかたちで争われた。

 この2本のステージは、ともにF1やWEC世界耐久選手権などが開催されるスパ・フランコルシャンとサーキット内の通路、さらに周辺道路を組み合わせたものとなり、SS18と再走ステージの最終SS20ではこれにグラベル(未舗装路)のラリークロス・コースも加えられた。

 3名のトヨタ・レギュラードライバーたちは、デイ1からデイ2にかけてチーム内で激しい順位争いを繰り広げ、このデイ3でも総合3番手争いが継続された。そのなかで、デイ2終了時点で3番手エバンスから3.3秒差の4番手につけるロバンペラがオープニングのSS17でベストタイムをマークし、この差を縮めてみせる。
 
 前戦エストニアでWRC初優勝を飾った20歳のフィンランド人ドライバーは、続くSS18でもステージ2番手タイムを刻みこの時点でエバンスを逆転。総合3番手に浮上する。その後のふたつのステージでは順位に変動はなく、ロバンペラが今季3度目の表彰台を獲得。エバンスは総合4位でフィニッシュした。

 総合5番手でラリー最終日を迎えたオジエは、今朝のSS17でタイヤにダメージを負ったことでタイムを失い、3番手争いから事実上脱落することに。それでもボーナスポイントが掛かる最終“パワーステージ”では2番手タイムを記録し、ボーナスの4ポイントを獲得してみせた。

 これによりドライバー選手権首位を守ったオジエは、今戦のウイナーとなったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)に同ポイントで並ばれたエバンスとのポイント差をひとつ増やし38点差としている。また、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を堅守した。

■ロバンペラ「チームメイトとの競い合いを楽しめた」

「最終日、我々のドライバーたちは大接戦を繰り広げたが、最終的には素晴らしいペースで走ったカッレ(・ロバンペラ)が表彰台を獲得した。第3戦クロアチア・ラリーでのアクシデント後、最初のターマック(舗装路)ラリーで力強い戦いをしてくれたことをうれしく思う」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「今回はすべてのドライバーが良い仕事をしたと思う。ただ、我々にはこのラリーでの経験がなかったため、優勝争いに加わることはできなかった」

「我々はまず、金曜日に路面とグリップレベルについて学ばなくてはならなかった。その経験を基に戦ったその後の2日間は、トップタイムを出すことができたが、それでは少し遅すぎた」

「もちろん、すべてのラリーで勝つことができないのは分かっているし、今週末はチャンピオンシップのために重要なポイントを獲得することができたと考えている」

 2戦続けて表彰台に立ったロバンペラは、「今回のベルギーでの最終日はとても良かった。今まで経験してきた日曜日の中で、もっとも激しい戦いのひとつだったし、チームメイトとの競い合いを楽しむことができた」とコメント。

 一方、エバンスは「残念ながら、今日は今回のラリーでもっとも悪い1日になってしまった」と最終日を振りかえった。

「今朝は、最初からあまりうまくいかなかった。ハードに攻めたところもあったが、いくつかミスをしてしまいタイムを失った。今日は自分たちのための日ではなかったと思う」

「カッレは非常に強く、素晴らしい結果を残した。全体的に悔しい週末になったが、もう少し良い戦いをすることができたはずだ」

 2021年シーズンの終盤戦に入っているWRCの次戦第9戦は、9月9日から12日にかけてギリシャで開催される『アクロポリス・ラリー』だ。2013年大会を最後にWRCカレンダーから外れていたが今年、8年ぶりにシリーズに復帰することが決まった同イベントのステージはグラベル(未舗装路)で、大きな石が転がる荒れた路面も多くある、非常に過酷なラリーとして知られている。