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シューマッハー、来季の去就はサマーブレイク中に判断か。フェラーリ代表はハースF1残留を望む

2021年08月13日 18:11  AUTOSPORT web

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2021年F1第11戦ハンガリーGP ミック・シューマッハー(ハース)
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、ミック・シューマッハーが来シーズンもハースF1に残留し、アントニオ・ジョビナッツィがアルファロメオとの契約を継続することを望んでいると明らかにした。

 今年3月の開幕戦バーレーンGPでF1デビューを果たしたシューマッハーは、ここまで11レースを戦ってきた。現時点でポイント獲得圏内でのフィニッシュは果たしていない。自身が最高成績を挙げたのは、フリー走行3回目で手痛いクラッシュを喫しながらも決勝で12位に入った第11戦ハンガリーGPだった。

 結果が出ない主な要因はハースの2021年型マシン『VF-21』のパフォーマンス不足にあるとみられる。しかしビノットは、7度の世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーの息子で現在22歳のミックにとって、フェラーリのようなトップチームで注目を浴びたりせずに戦える今シーズンは貴重な経験になるはずだという。

「ミック・シューマッハーにとってのF1初シーズンは、プレッシャーにさらされないで学ぶことが可能なシーズンとも言える。我々は、彼がこのまま走り続けられるようハースと話をしている」と、ビノットは今週、イタリアの有力スポーツ紙『La Gazzetta dello Sport』に対して語った。

 シューマッハーはフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のメンバーでもある。若きドイツ人ドライバーの、まさに始まったばかりのF1キャリアについて、ビノットは今後の計画づくりの議論にも関わっている。

 一方でフェラーリが、シューマッハーを早期に競争力の高いアルファロメオへ移籍させる準備を進めているという噂もある。これは、アルファロメオが2022年には実績の少ないドライバーを選ぶという想定に基づくものだ。キミ・ライコネンが2021年かぎりで長年にわたるF1キャリアに終止符を打つ可能性は、ますます高まっているように見える。

 しかしビノットは、ジョビナッツィにフェラーリの姉妹チームでもう1シーズン走ってほしいというファンたちを安堵させ、彼にはさらにフェラーリの公式F1リザーブドライバーとしても続けてもらうと述べた。

「アントニオにはフェラーリのリザーブドライバーとして残ってもらう。誰かが急に欠場するような場合、彼が最初の代役候補だ。そして毎年成長を見せている彼にはアルファロメオに残ってほしい。それだけの価値ある人材だ」

「今年はフェラーリ・ドライバー・アカデミーにとって試練の年だが、ドライバーたちには成長の時間を与えるべきだ」

 シューマッハーは、自分が来シーズンどうなるのかについて、これまでのところ「それについてはあまり考えてこなかった」と主な関心事ではなかったと語っている。しかし、各チームが3週間の公式サマーブレイクに入っている現在、決断のタイミングは近づいているようにも見える。

「そのことを議論して、進むべき方向について判断するのは、主にサマーブレイクの期間中だ」と、先週シューマッハーは認めた。

 現在、フェラーリはコンストラクターズ選手権でマクラーレンと並び3位につけており、シーズン後半戦を通してライバル各チームを打ち破るための戦いが続くことになる。

 シャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.はともにシーズン3基目のエンジンを使っている。予定されている残り13戦の途中で4基目に切り替わればグリッド降格のペナルティを受けることになる。

 ビノットは、新しいパワーユニットについて、開発は進んでいるものの、投入されるのはベルギーとイタリアの高速サーキットでの2レースが終わった後になるとの見解を示した。

「パワーユニットの進化版を持ちこむのは、もっと先になる。モンツァではない」

「規則により、シーズン開幕時点で新しいユニットを導入できたが、いくつかのパーツを変更した。したがって2022年型パワーユニットにもつながるような大きな変化をもたらせると考えている」