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ハイパーカー元年のル・マンは信頼性の勝負「大きな要因」になるとウエストブルック/WEC

2021年08月13日 17:11  AUTOSPORT web

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グリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH 2021WEC第3戦モンツァ
グリッケンハウス・レーシングのリチャード・ウエストブルックは、8月21~22日に行われる2021年のル・マン24時間レースについて、これまでに行われたWEC世界耐久選手権のレースで同チームのマシンだけでなくトヨタにも問題が生じたことから、今年の24時間レースは信頼性を競うものになると考えている。

 元フォード・チップ・ガナッシ・レーシングのイギリス人ドライバーは、当時のチームメイトであったライアン・ブリスコーと、2度のル・マンウイナーであるロマン・デュマとシェアする『グリッケンハウス007 LMH』のペースに自信を持っているとSportscar365に語った。

 今年、ル・マンのトップクラスで初めて競争する彼は、ポルティマオでの最初のレースと先月のモンツァ6時間で成果を上げた一方、後者の4時間目に行った予定外のブレーキ交換が「少し頭を悩ませた」ことを認めた。

「ポルティマオではタイヤの摩耗に苦労したが、そこで多くのことを学ぶことができた。また、自分でテストしているときには得られない学習曲線を描くために、プログラムの初期段階でポルティマオに行ったことはとても良かったと思う」とウエストブルック。

「モンツァに入るとさらに励みになった。一時は優勝を狙えそうな勢いすらあったのだからね。しかし、残念ながら予定外のブレーキ交換をしなければならなかった」

「テストではブレーキに過度の摩耗の問題は出てこなかったから少し頭を悩ませたよ」

「しかし、彼らは3週間かけて問題の根底に到達し、ル・マンでそれが再発しないようにした。もし、ル・マンで4~5時間ごとにブレーキを交換していたら、そこに行かない方が良いのは明らかだ」

 ウエストブルックは、シーズン前のプログラムからポルティマオ、ポルティマオから2台目のクルマをエントリーさせたモンツァに行く過程で、問題に対して「非常に迅速に対応できる」ことを示したアメリカ籍のチームに感銘を受けているという。

「このチームは、必要な物事に対応する点において非常に優れている。それはとても印象的だ」と彼は語った。

「僕たちはどんどん良くなっている。ポルティマオとモンツァを比較したとき、それは誰もが見たと思う。いま僕たちはル・マンに向けて、また同じステップを踏んでいかなければならない」

「ル・マンはモンツァよりもさらに僕たちに合っていると思う。予測するのはとても難しいけれど、我々は(目標に)到達できると思う」

「新しいクラスの最初の年だからクルマの信頼性が大きな要因になるだろう。誰もが信頼性について少し神経質になると思うよ。その中でトヨタにプレッシャーを掛けられるといいね。そうすることができればミスが起こる可能性があるからだ」

「僕たちは彼らとペースを合わせて戦いたいと考えている。モンツァではもう少しのところまでいったので、あと少し、最後のコンマ数秒があればその位置に付けるはずだ」

「あとは信頼性の問題だね。我々の信頼性はテストではとても優れていた。アラゴンで行った30時間テストは最後の数時間にちょっとした電気系のトラブルがあっただけで、無事に終えることができた」

「そこからポルティマオとモンツァでの準備に掛かるコストはほとんどなかった。僕たちのクルマに限った話ではないが、ちょっとしたことが大きな問題に発展することがあるんだ。モンツァでの708号車はスパークプラグに問題が発生し、それがギアボックスにも影響を与えてしまい、結局クルマを停めてしまった」

「繰り返しになるけれど、信頼性がこのレースのカギになるだろう」