8月13~15日にベルギーで開催されるWRC世界ラリー選手権第8戦『イープル・ラリー・ベルギー』において、ヒュンダイの新型ラリー2規定マシン『ヒュンダイi20 Nラリー2』がデビューする。
昨年発表され、開発のためのテストが繰り返されてきたこのニューマシンは今回、既報のとおりヒュンダイのジュニアドライバーであるヤリ・フッツネンと、オリバー・ソルベルグによってドライブされ、WRC2クラスに登場する予定だ。
2台の新車の内のひとつを任されたソルベルグは、今戦が今季3回目のWRC2クラス参戦となる。また19歳のソルベルグと、彼のコドライバーであるアーロン・ジョンストンにとってはこれが今シーズン初めて迎えるターマック(舗装路)イベントでもあるが、彼らは前戦エストニアで早くにリタイアを喫した後、このベルギー・ラウンドに向け照準を合わせてきた。
「ヒュンダイi20 Nラリー2(の開発やデビュー)に関わることができて本当に光栄だ。この素晴らしいクルマを競技で最初にドライブする機会を与えられたことは、とてもエキサイティングだよ!」と語ったソルベルグ。
「ヒュンダイ・モータースポーツがこれほど忙しく作ってきたものを世界に示すのが待ちきれない」
「僕はこれまでにベルギーのラリーに参加したことはないけど、テストの経験はあるし、それが複雑なラリーになる可能性があることは承知している。天候やコンディションが変わっていくると、それは本当に大変なものになるだろう」
「正直なところ、たとえドライコンディションであっても、初めて挑戦するラリーとしては簡単な場所ではないと考えている」
一方、昨季のWRC3王者で2021年シーズンはWRC2クラスに参戦しているフッツネンは、『ラリー・イタリア・サルディニア』で優勝するなど、その実力を発揮している。同郷のミッコ・ルッカとともにベルギーのラリーに挑むフィンランド人は、新型i20 Nラリー2で臨む今戦について次のように語った。
「イープル・ラリー・ベルギーを楽しみにしている。不本意な結果に終わったエストニアの週末の後、立ち直ることができることを願っているよ」とフッツネン。
「ヒュンダイi20 Nラリー2の競争力のあるデビューには期待が持てると考えている。僕たちは新車で多くのテストを実施し、ポジティブな経験をしている。もちろん良い結果を出したいと思っている」
「同時に、挑戦的な新しいラリーであることは間違いないので、多くのことを学ばなければならないだろう」
■新車の開発を担ってきた彼らが乗るのがふさわしい
ヒュンダイ・モータースポーツを率いるアンドレア・アダモ代表は、「新しいクルマがデビューするときはいつも特別な瞬間だが、このラリーも例外ではない」と述べた。
「ヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシングチームは、i20 Nラリー2の開発に多くの労力を費やしてきたが、新たに開催されるイープル・ラリー・ベルギーは、このクルマの活躍を見る絶好の機会となるだろう」
「オリバー(・ソルベルグ)とヤリ(・フッツネン)は、このクルマを開発する上でとくに重要な役割を果たしてきた。そのため、彼らがこの初開催のイベントに新車で参加するのはふさわしいことだ」
「ラリーでは(テストで見つけられなかった)新しい発見があるかもしれない。しかし我々の目標は、満足のいく結果が得られなかったエストニア後に訪れる最初のWRC2イベントで成功を収めることだ」