2021年08月13日 10:01 弁護士ドットコム
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、片瀬西浜・鵠沼海水浴場など藤沢市の3海水浴場の休場が決まったことで、8月16日をもって、神奈川県内の海水浴場はすべて中止となった。
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8月に入って緊急事態宣言が県内に出されたことから、逗子市などで休場が広がっていた。
稼げない夏だったーー。海の家関係者らがため息をもらす江の島のビーチを歩いてみた。
神奈川新聞のネット記事(8月11日配信)によれば、藤沢市内の3海水浴場が同16日をもって休場するという。緊急事態宣言が出たことで、県や市が海の家の組合に休場をもとめていた。
8月12日午後、弁護士ドットコムニュースの記者が訪れた湘南江の島の海水浴場では、小雨の降る空模様もあり、人の数はまばらだった。
大学1年生の女性は、神奈川県の海水浴場が閉まると知って、友人と一緒に東京都足立区から急いでやってきた。
「夏らしいことを全くしていません。大学のサークルの集まりもない。せめてと思って海に来ましたけど、人がいませんね」
いくつかある海の家には空席が目立つ。スタッフが所在なげに海を眺めていた。
ある出店者は今夏の売れ行きを振り返って「覚悟していたが、予想よりも売上は低かった」と渋い表情を浮かべる。
7月3日に開かれた江の島の海水浴場では、藤沢市がまん延防止等重点措置の対象になったため、同22日から酒類提供を全面的に停止している。
この措置が売上に響いたそうだ。砂浜での飲酒も禁止されているが、海水浴客は近くのコンビニ等で購入した酒を持ち込んで飲んでいるという。「結局、お酒を飲むのであれば、我々に販売を許してほしかった」(同出店者)との恨み節ももれる。
「8月の第1土・日に海水浴客はもっとも来ると言われていますが、結果はかんばしくありませんでした」(別の海の家の関係者)
県内各地にある海の家の組合は、県に休業等の補償を求めている。だが、「補償は見込めないのでは」(前同)との見方も。
8月末までの出店が予定されていたため、すでに一定期間分の食材を仕入れている。フードロスを生じさせないため、フードバンクなどに引き渡す予定だという。
江の島の海水浴場は、海水浴場を開かなかった鎌倉市の腰越海水浴場と隣接している。腰越では海水浴こそできないが、かわりにマリンスポーツができるように開かれている。
砂浜からは東京五輪のセーリング競技会場となった江の島ヨットハーバーが見える。ここではサーフィンなどに興じる人がいて、思い思いに波を楽しんでいた。
ウインドサーフィンのために都内から来た男性は「海水浴客とマリンスポーツが共存する形はよいですね。コロナが落ち着いたあとも、続けばよいと思います」と話した。