マクラーレンのダニエル・リカルドは、F1の2022年のレギュレーションによってフィールド内の差が縮まることになると楽観的でいる。しかしそれでもなお、現在のマシンサイズ自体がオーバーテイクを難しくすることに変わりはないのではないかと懸念を抱いている。
先月、F1は来年の技術ルールを基にデザインした実寸大モデルをシルバーストンで発表した。2022年のマシンは、空力を簡素化することで、他のマシンに近づいて追尾するドライバーの能力が改善され、それによりオーバーテイクのチャンスが増えることが期待されている。
リカルドはシルバーストンで見たマシンを全体的に気に入っており、大幅な変更によって具現化された簡素さと特徴を良しとした。
「シルバーストンでのマシンはかなりよかったよ」とリカルドは『Motorsport-Total』のインタビューで語った。
「僕はまだ若い世代の一員と言えるかもしれないから物事にそれほど詳しくない。僕はF1の歴史を愛し、尊敬している。すべてのことを却下したいわけではないけれど、いくつか変更を加えることはできるだろうか? もちろんできるだろうね。すくなくとも試してみるべきだ」
しかしリカルドはF1の次世代マシンについてひとつ注意を発した。
「マシン自体については、シンプルなアプローチで良いと思う。僕は気に入っているよ」
「ひとつ心配がある……。問題なのは、2007年や2008年の古いマシンを見てみると、それらのマシンは低くて幅が狭く、ホイールベースが短いということだ」
「(今の)マシンは大きいね。これは難しい話じゃない。大型のマシンはコース上でさらにスペースを取る。唯一僕が心配しているのは、幅の狭いコースでのオーバーテイクが、単にマシンの寸法のせいで難しくなる可能性があることだ」
「それはさておき、僕はF1が発展していく方向性を気に入っている」
グリッド上の各チームが個々に、来年のリセットによって競争が接戦になることを期待している。おそらくマクラーレンのようなF1の中団トップで戦うチームが成功するチャンスが増えるだろう。
しかし分別があり現実的なリカルドは、2022年についての期待を抑えている。
「少なくとも(優勝は)希望ではあるけれど、期待はしていない。もし優勝できなかったら、シーズンをマイナスのエネルギーで始めることになり、モチベーションをなくしてしまう」
「だから競争が接戦になることを望んでいる。メルセデスはレッドブルとともにこれからもトップにいるだろうと思う」
「でも全体的に状況が厳しくタイトになり、1位と20位の差が縮まったら満足だね。それが本当の一歩になるだろう」