レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイは、メルセデスがレッドブルに関して行う政治的動き、ロビー活動は、いまだ経験したことがないほど激しいものであり、逆にレッドブルも攻撃のチャンスを常に狙っていると語り、両者のコース外での戦いは熾烈をきわめていると明かした。
2021年F1では7年連続王者であるメルセデスとレッドブル・ホンダがタイトルをめぐり、接戦を繰り広げており、そのなかで両者は相手をつまずかせる機会をうかがっている。6月からフレキシブル・リヤウイングへの取り締まり強化が決まり、他数チームとともにレッドブルはウイング変更を行うことを強いられた。またメルセデスとレッドブルが互いのエンジンへの監視を強めていることも明らかになっている。
レッドブルのポッドキャストにおいて、ニューウェイは、「トップチームは自分の主要なライバルの動向にしか興味がない。後方のチームがが何をしているかについては特に心配しないものだ」と語った。
「我々がライバルチームたちから厳しく監視されているのは、さまざまな面において賛辞の表れといっていいだろう」
「過去にも同じような経験はある。だが、自分たちのマシンに関し、舞台裏でこれほどのレベルの政治的動き、ロビー活動を受けた時期があったという記憶はない」
「かつてフェラーリとタイトル争いをしていたころ、ボディワークの柔軟性など、いくつかの争いが起きた」
「だが、今年はその頻度と激しさが際立っている」
ニューウェイはリヤウイングの件に触れ、「その問題を抱えていたのは我々だけではなかった。だがメルセデスが騒ぎ始めた時、彼らが心配していたのは、もちろんアルファロメオのことではなかった」と語った。
「彼らは、我々が(そのウイングによって)アドバンテージを得ているかどうか、そのことだけを心配していた。実際に我々はアドバンテージは得ていなかったが、パーツを変更するためのコストがかかった」
「当然のことながら、我々の方もメルセデスがしていることを注意深く観察し、彼らがしていることで攻撃の対象にできそうなことがあるかどうかを見ていく」
「私は、戦争に例えることは好きではないが、それが妥当な例えだといえるだろう」
「戦争においては、戦う上で自分のポジションを向上させるために、あらゆる側面を検討するものだ」