F1では世界的な新型コロナウイルスの危機にあった2021年の第2四半期も、財政回復が継続された。
第2四半期の3カ月間の収益は5億100万ドル(約552億円)を記録した。昨年の第2四半期にはレースが開催されなかったため、この数字は2020年の同時期の数字と比較することはできない。
しかしながら、グランプリレースが通常のスケジュールで行われた2019年の第2四半期と比べると、同年は6億2000万ドル(約683億円)の収益があり、F1の収益は1億1900万ドル(約131億円)減少したことになる。F1の最終損益を見ると、営業損失については2020年第2四半期の1億3600万ドル(約150億円)から、今年は4300万ドル(約47億円)に削減された。
2020年第2四半期には、F1チームは収益を得ることができず、第2四半期に10チームは3億800万ドル(約340億円)を分け合ったが、2020年の分配金3億3500万ドル(約386億円)を下回る結果となった。
「2021年の第2四半期には7戦が開催された。一方で2020年の第2四半期には新型コロナウイルスのパンデミックによってレースは一切開催されなかった」とF1の商業権保有者であるリバティ・メディアは語った。
「ファンの来場数は、引き続きレースごとに政府関係者によって評価されている」
「第2四半期のレースでは、ファンの入場数は非常に限られており、ホスピタリティも開設されなかった。今後のイベントについては多くのレースの開催決定が保留中である一方で、ファンの収容数は第3四半期序盤から増え始める。ホスピタリティは7月4日のオーストリアGPから再開された」
「第2四半期のF1の主要な収益は、レースプロモーション、放映権、スポンサー料の成長とともに増加した」
「これは、2021年第2四半期に7戦が開催されたことでレース固有の、またシーズンベースの収益が認められたことによる。比較すると、昨年の同時期にはレースは行われなかった。放映権料についても、F1のテレビのサブスクリプション収入の増加から恩恵を得た」
F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、F1が世界的なパンデミックに直面するなか、継続的な回復を見せていることを強調した。
「F1は素晴らしいシーズンを送っており、コース上のドラマは世界中のファンの心に響いている」とドメニカリは述べた。
「タイトル争いは苛烈で激しい接戦であり、F1の過去の偉大なライバル関係の思い出を呼び起こす」
「自宅から観戦しているファンの数にも増加が見られている。ファンがふたたびレースを見てくれるのは素晴らしいことだ。シルバーストンの満員の観客は週末を通して35万6千人を数え、世界でも新型コロナウイルスの流行以来最大のファンイベントのひとつとなった」
「我々は初めてのスプリントイベントについて非常に満足しており、次はモンツァで開催されるのを楽しみにしている。また、パンデミックによる課題に直面しているものの、我々は残りのシーズンも適応して解決策を見つけることができるということを、引き続き証明していく」