MotoGP第10戦スティリアGPの決勝レースがオーストリアのレッドブルリンクで行われ、MotoGPクラスで優勝したホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)、2位のジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、3位のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が会見に出席。レースを振り返った。
■ホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)/決勝:優勝
「いい週末になったよ。金曜日は自信があったんだけど、土曜日にはかなりの余裕があるとわかった。土曜日はコースに出て行ってすぐに、3番手、4番手でいい走りができていた。フリー走行4回目では、ユーズドタイヤを履いてすごく自信が感じられた。もちろん、レースペースとしてはファビオ(・クアルタラロ)もペッコ(※フランセスコ・バニャイアの愛称)ほどではなかったけれど、僕もそこに近かった。その後、ポールポジションを獲得できたのは素晴らしいことだったよ」
「今日は、最初のレースのスタートはまあまあだったけれど、フロントタイヤにけっこう問題があったから、レースが中断されて運がよかった。(ロレンツォ・)サバドーリが無事であることを願っている。とにかく両方のタイヤを変えることができて、2度目のレースではすごくいいスタートを切れた。レースをリードして、すぐにペースを作ろうとした。今日のレースではコンスタントに走るのが大事だとわかっていたからだ。そして、レースを通して1分24秒3、1分24秒4をキープできた」
「今日、ジョアン(・ミル)はすごく強かった。でも、彼との差が0.2秒というサインボードを見て、もう少し頑張った。差を広げられて完ぺきだったし、必要だったと思う。最終ラップでは体の状態があまりよくなかったから。チームにとってもドゥカティにとってもすごくうれしい結果だ。彼らにとって、ここでは優勝することが重要だから。僕が優勝するライダーになるとは思っていなかったけれど、優勝できてすごくうれしいよ」
「残り15周になったとき、体の調子がすごく悪かった。そのときがレースのなかでも最悪の時間だったと思うよ。ジョアンはまだまだすごく近くにいたしね。でも、ギャップが少し開いてきたのを見て、少しリラックスした。そんなに攻めずにペースをキープしていられたからだ。そこで、セクター1ではさらにスムーズに走ろうとしてみた。残り3周は際どいところだった。でも、僕にはこの差があった。スローダウンしても、ギャップをマネジメントできたと思う」
「両親が僕にしてきてくれたことに対して、すべて返すことはできないだろうと思うよ。
レッドブル・ルーキーズ・カップに参戦する前はお金がなかった。12歳でレースをやめようと思っていたんだ。でも今僕はここにいる。素晴らしいことだ。両親には一生かけて恩返ししていきたい。もちろん今日はMotoGPでの優勝という、一つの夢が実現した。でも僕たちは、MotoGPチャンピオンになるという同じ夢を持っている。この調子でどんどんよくなっていきたいし、上達して、バイクの走らせ方を学んでいきたい」
■ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:2位
「とても満足しているよ。この表彰台は特に重要だ。日本のチームがすごく頑張ってくれたからね。このオーストリアで、表彰台を獲得できて優勝争いができた。チームを誇りに思っているよ」
「レースについては、今日は全力を尽くしたけれど、ホルヘは本当に強かった。レース序盤はついていくことができて、ホルヘの後ろで余裕があった。でもそのあと、何度かラインがワイドになってしまったり、ブレーキングで少し遅れたりして、2周の間にチャンスを失うことになってしまったんだ。2周続けてはらんでしまったからね」
「今日は接近していたけれど、(優勝するには)そこまでではなかった。学び、バイクを改善しなければならないと思う。僕のスキルも、バイクのパッケージもすべて含めてね。来週はもっと強くなって、優勝を目指して戦うよ」
「このデバイス(リヤの車高調整システム)が他と比べて強みというわけじゃない。ただライバルたちと同じ条件でスタートするということだ。このデバイスを改善し続けないといけない。これはまだプロトタイプの第一段階。改善の余地がある。詳細を詰めないといけない。ライバルたちは僕たちより長くこのデバイスを使っているわけだからね。つまり、もっと情報が必要なんだ」
「ただ、今日のレースではいい情報を得て、いい形で前進したと思う。この週末すべてで使うとは思わなかった。新しいアイテムなわけだからね。日本ではあまりたくさんテストできていなかった。時間がなかったからだ。だから、彼らはすべてのラップで使って情報を得ようとしているだろうと思っていた」
■ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/決勝:3位
「厳しかったよ。ジャック(・ミラー)の後ろにいたときに、彼が1コーナーでちょっとミスをした。僕としてはストレートで彼の後ろにつくためにはそこにいるしかなかった。3コーナーではこの週末、苦戦しているのがわかっていた。でも、今日、それから昨日はとても強く走れていた」
「レース1ではマルク(・マルケス)をオーバーテイクできた。(レース2では)ジャックをとらえて、いいバトルをした。それでトップ2の二人からは少し離れてしまったけれど。でもそれ以上のことはできなかったと思う。ジョアンにもホルヘにもついていけなかった。この表彰台はうれしい。どの部分について取り組むべきかわかっているから、満足しているし、いいレースをしたと思う」
「リヤタイヤについて改善しないといけないことははっきりしている。最初のレースで、最終コーナーでホルヘの後ろにいて、かなりスピードが出ていたんだ。彼を見ていて、『彼はバイクを起こしてすぐ、かなりタイヤをセーブしているな』と思った。だから、僕たちはできるだけうまくマネジメントしていきたいと思う。ドゥカティみたいな加速はないとわかっているわけで。でも、ここでの表彰台は申し分ないね」
「フリー走行でのペースはいつもすごくいいけれど、レースになるとリヤタイヤに違和感が出てくるんだ。この3、4日の休みを利用してどの部分でバイクや自分のライディングスタイルについて取り組めるのか、考えるのがいいと思う」