「姉は引退したんです。私も、もう何年も会っていないんですよ……」
7月下旬、週刊女性の取材に対し困惑しつつ語ったのは、演歌歌手・都はるみの妹。都といえば、コブシの利いた“はるみ節”で『北の宿から』『アンコ椿は恋の花』など、数々のヒット曲を歌い上げた昭和を代表する演歌歌手のひとりだ。だが、'15年に“休業宣言”して以降、コンサートはおろか公の場にも姿を現さず、冒頭の実の妹でも最近まで都の様子を知らなかったという。
彼女の消息が意外なところからもたらされたのは、今年3月。“東北のビジネスホテルで隠遁生活をしている”と昨年週刊女性に告白し話題になった俳優・矢崎滋と、同じホテルで半同棲生活を送っていると報じられたのだ。
「付き合いが深かった人、仲がよかった役者も全員(関係を)切っちゃった」
と語っていた矢崎に、すっかり出し抜かれた格好の週刊女性は、都との関係について改めて話を聞こうと再び訪ねてみたが、今度は一転、完全にダンマリ。いったい、都と矢崎はどうやって不思議なホテル暮らしをするようになったのか─。そんな中、2人の馴れ初めを知る人物に話を聞くことができた。演出家の池田政之氏だ。
ふたりをつないだ“意外なキューピッド”
「僕も、報道で知って驚きましたよ」
そう苦笑いしながら、当時を振り返る。'08年、都が主演の舞台─デビュー45周年記念特別公演『好きになった人』での共演が2人の出会いだった。矢崎を同公演に出演させたのが、何を隠そう池田氏だった。
「僕がその舞台をやることになって、スタッフの方からキャスティングを相談されたんです。そのとき、僕が手がけていた別の作品に矢崎さんが出ていらして。おすすめしたら、トントン拍子に出演が決まったんです」
当然ながら、最初から恋仲ではなかった。
「あの当時、はるみさんは中村さんと“事実婚”状態でしたから」(池田氏、以下同)
中村さん─舞台の監修も務めた都の個人事務所社長・中村一好さんだ。仕事だけでなく、既婚者でありながら都と生活を共にし、公私にわたって長年彼女を支えていた。実は、その中村さんこそが、都と矢崎をつないだキューピッドだった。
都が矢崎に心を開くようになったワケ
「中村さんも矢崎さんも東大卒なんです。初対面でしたが“同門の学友”だとわかって一気に仲よくなって。本来、舞台稽古は、真剣になるほど現場の空気が険悪になりがちなんですが、“中村ちゃん”“先輩”と呼び合う2人のおかげで、稽古場の雰囲気も一座のチームワークも、とってもよかったんです」
だが、それが暗転する事件が起きる。中村さんが大阪公演を前に自ら命を絶ったのだ。
「矢崎さんはじめ、舞台のメンバー全員本当に驚いてね……。はるみさんもショックだったと思うんですが、座長として最後まで明るく気丈に振る舞ってくれました」
最愛の人を失った悲しみにくれる都に、そっと寄り添ったのが、友人の死を誰よりも惜しんだ矢崎だった。古くからの都の知人が語る。
「はるみさんは“なぜ止めることができなかったのか”と精神的に参って、ふさぎ込んでしまっていたんです。そんなとき、中村さんといちばん最後まで親しかった矢崎さんが、何も言わずに彼女の話をずっと受け止めてくれたそうで。彼の思いやりに触れるうちに、はるみさんも心を開くようになって……」
矢崎との交際報道から4か月。現在も都の穏やかな日々は変わらないという。
「はるみさん、とっても幸せそうですよ。都内の自宅に住みながら、矢崎さんのいるホテルにも頻繁に通っているって。2人で近くの温泉に行ったりして、のんびり楽しんでいるみたい」(同・知人)
結婚は考えないのか?
「完全に一緒になるとケンカしちゃうからって。いまの関係がちょうどいい距離感なんでしょうね」(同・知人)
大物歌手が選んだのは“好きになった人”との穏やかな日々だった─。