マクラーレン・グループは、テクノロジービジネス部門であるマクラーレン・アプライドを民間投資グループ、グレイブル・キャピタルに売却することで合意した。
マクラーレン・アプライドは、電動化、テレメトリー、分析、制御等の分野を専門とし、F1パワーユニットに用いられている標準ECUの供給も行っている。マクラーレン・グループは8月5日、ロンドンを拠点とするグレイブル・キャピタルにマクラーレン・アプライドを売却することで合意に達したと発表した。マクラーレン・アプライドの拠点は引き続きマクラーレン・テクノロジー・センターに置かれ、現経営陣が指揮をとり、これまで同様のサービスを顧客に提供するということだ。
マクラーレン・グループは、この約1年の間、財務状況の改善を図るためにいくつかの動きを見せている。今春にはウォーキングに位置する最先端のマクラーレン・テクノロジー・センターを、セール・リースバック契約のもとで売却することに合意した。昨年末にはマクラーレン・レーシングの株式15パーセントを1億8500万ポンド(約283億円)で売却することを発表、今年7月にはサウジアラビアの投資ファンドを含む複数の投資家および既存株主とともに5億5000万ポンド(約841億円)の資本再構築を行った。
「マクラーレン・グループは、マクラーレン・オートモーティブを収益の中核として、スーパーカー製造およびエリート・モータースポーツに戦略的に集中しており、マクラーレン・アプライドの売却は、それをさらに強化するものである」と今回発表された声明には記されている。
マクラーレン・グループのチェアマンを務めるポール・ウォルシュは「さらに集中的で利益性の高いグループを構築するための一連の積極的なステップを重ねてきた。アプライドの戦略的見直しの完了は、その最新の動きである」と述べた。
「現在のマクラーレンは、より持続的な資本構造に支えられており、世界的な高級スポーツカーおよびエリートモータースポーツに携わる企業としての野望を達成するための適切な戦略と焦点を手にしている」
「同時に、グレイブルの投資によって、マクラーレン・アプライドが世界クラスの技術とデータインサイトおよび分析の企業として革新を起こし、成長するための強力な基盤を得ることを喜ばしく思う」
マクラーレン・アプライドの売却は、2021年8月末に完了する予定。財務条件は公表されない。