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ユナイテッドアローズ、21年4~6月は赤字継続 コロナ禍の店頭接客に課題も

2021年08月06日 20:22  Fashionsnap.com

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ユナイテッドアローズのロゴ Image by: FASHIONSNAP
ユナイテッドアローズが、2022年3月期第1四半期(2021年4月1日~6月30日)の連結業績を8月6日に発表した。売上高は前年同期比13.8%増の252億6400万円となったが、営業損失は9億300万円を計上。前期から赤字が続くが、今年4月に新社長に就任した松崎善則氏は在庫消化の目処がついたことや、不採算店舗の見直し、DX関連の取り組みが想定通り進捗していることから「一定の成果が出ていると捉えている」と前向きな姿勢を示した。

 売上総利益は252億円を計上。前年の反動で売上総利益率は前期差8.0pt増となったが、前々期差は3.3pt減とコロナ禍前の実績を下回った。昨年の秋冬から過剰在庫を抑制しているため、今後マイナス影響は縮小の見通し。
 不採算店舗の見直しでは「ユナイテッドアローズ 銀座店」や「ユナイテッドアローズ 青山 ウィメンズストア」の2つの大型路面店を8月1日までに閉店した。固定賃料に対して収益が見合わず、今後も改善が見込めないことから撤退を決めたという。出店からわずか2年で営業を終了した青山 ウィメンズストアに関しては、「ロエフやイウエンマトフなどのオリジナルレーベルを集積することで価値を提供できると思っていたが、お客様の趣向としてインポート商品のニーズが高く、それに適う商品調達ができなかった」(松崎社長)と説明した。なお、前期末時点では既存店舗363店舗のうち10%程度の退店を予定していたが、これを12%に引き上げ、店舗数は前期末から14店舗減の316店舗となる見込み。
 前年度と同様に第1四半期期間において緊急事態宣言が再発出され、一部の小売店舗では再び一時休業が余儀なくされた。現在は営業を再開できているものの、前々年同期比では通販(EC)を含めても10%以上の売上減で推移しており、完全回復にはまだ時間がかかると見られる。松崎社長はファッションアパレル以外のマーケットのすそ野を広げながら、企業のブランド価値を向上させることが競争優位性につながるとし、今後の戦略に据える。接客面においても、ニーズの変化や新型コロナウイルス感染拡大リスクの観点から来店客へ不安を与えないように声がけを控えるようにしていたが、「接客が薄くなったように感じているとお叱りを受ける機会が増えた」という。松崎社長はユナイテッドアローズはこれを接客力への期待値が高いと捉え、「お客様の大半は、これまで通り丁寧な接客を求めている」として接客のスタンスを切り替える考えを示した。
■ユナイテッドアローズ 2022年3月期第1四半期連結業績売上高:252億6400万円(前年同期比13.8%増)営業損益:9億300万円の赤字(前年同期は50億1900万円の赤字)親会社株主に帰属する四半期純損益:6億4800万円の赤字(前年同期は35億8200万円の赤字)