■スリックへの交換を決断した2台がST-Zの首位を争う ST-Zクラスは序盤、111号車Access HIROSHIMA+ GR SUPRA GT4の古谷悠河が序盤からオーバーテイクをみせトップに浮上する。一方、2回目のセーフティカー中だった11周目、5番手スタートの20号車SS/YZ Studie BMWがピットイン。また赤旗中断後、セーフティカーランのリスタート時にはクラス7番手スタートの47号車D'station Vantage GT4の織戸学がピットインし、スリックへの交換を済ませた。レース中盤からは、この2台がトップ争いを展開していった。
47号車D'station Vantage GT4は、20号車SS/YZ Studie BMWとの間にギャップを築き、少しずつその差を広げていく。しかしST-Zクラスが60周目に突入したところでST-5クラスのマシンが14コーナーでストップし、フルコースイエロー(FCY)が導入されるが、このFCY直前という抜群のタイミングで20号車SS/YZ Studie BMWが3回目のピットイン。山口智英へのドライバーチェンジを済ませてコースに復帰する。
その2周後には47号車D’station Vantage GT4もピットイン。篠原拓朗にドライバー交代を行うが、このピットインのタイミングで20号車SS/YZ Studie BMWが19秒先行する。しかし、篠原は自己ベストを含むハイペースで20号車SS/YZ Studie BMWを追い、77周目にこれをオーバーテイク。ふたたび首位に返り咲いた。
47号車D'station Vantage GT4(星野辰也/織戸学/篠原拓朗/浜健二)は織戸と篠原のみでレースを走りきり、トップチェッカー。2位は20号車SS/YZ Studie BMWが、3位には40kgのウエイトハンデを積むポイントランキングトップの3号車ENDLESS AMG GT4が続いた。
ST-1クラスはポールシッターの2号車シンティアムアップル KTM(飯田太陽/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)が終始レースをリードし、2位以下を周回遅れにする好走で今季3勝目を手にした。2位には38号車mutaracing GR Supra、3位にはコースアウトもあった71号車CSダイワN通商アキランドポルシェが続いている。
ST-2クラスは2番手スタートの225号車KTMS GR YARIS(野中誠太/平良響/翁長実希/一條拳吾)が前戦で火災に見舞われた悔しさを晴らす今季3勝目を手にした。2位にはレインタイヤスタートから一時はトップを走行した59号車DAMD MOTUL ED WRX STI。3位は3番手スタートの7号車新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10となった。
ST-4クラスはGRGarage水戸インター GR86(坪井翔/細川慎弥/堀尾風允)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を手にした。2位には884号車林テレンプ SHADERACING 86が、3位に18号車Weds Sport 86が続いている。
ST-5クラスはポールポジションスタートの456号車odula Star5 Roadsterが接触やマシントラブルに見舞われるなか、4番手スタートから着々とポジションを上げた50号車LOVEDRIVE ロードスター(山西康司/篠田義仁/松村浩之)が、ディーゼルエンジンの高燃費を武器に上位に浮上してきた17号車DXLアラゴスタNOPROデミオディーゼルとの接戦を制し、今季初優勝。2位は17号車DXLアラゴスタNOPROデミオディーゼルが、3位は66号車odula TONE MOTULロードスターとなった。
ROOKIE Racingの2台が参加するST-Qクラスは、28号車ORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏)と、水素エンジンを搭載した32号車ORC ROOKIE Corolla H2 concept(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝允)は、28号車ORC ROOKIE Racing GR SUPRAがハイペースで周回を重ね総合13位で、そして水素エンジン搭載の32号車ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは、ノートラブルで着実に走行を続ける殊勲のレースを展開。MORIZOもダブルスティントをこなすなど4人のなかでも最多の周回数を走り、総合45位でチェッカーを受けている。
スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook、次戦となる第5戦『SUZUKA S耐』は9月18~19日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。2020年シーズンは開催がなかった鈴鹿で、どのようなレースが繰り広げられるのか。タイトル争いを占う意味でも重要な一戦となりそうだ。