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澤田社長が「栗太郎」に? ZOZOが決算資料に前代未聞のオリジナル漫画を掲載

2021年07月30日 19:22  Fashionsnap.com

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「栗太郎」は澤田社長?(ZOZO 2022年3月期第1四半期決算説明会資料より) Image by: ZOZO
ZOZOが2022年3月期第1四半期の決算を発表し、増収増益を達成した。新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタルシフトで急成長した昨年の反動を感じさせない好決算が評価された一方で、漫画が掲載された決算説明会資料のデザインにも注目が集まった。

 決算説明会資料は会社の業績や取り組みなどをまとめたもので、主に投資家などに向けて発信している。実績がわかる数字や表、グラフを掲載しているのが通例だ。
 ZOZOの決算資料も2019年3月期までは比較的シンプルなデザインだったが、澤田宏太郎氏が代表取締役兼CEOに着任してから新しい期として初めて迎えた2020年3月期は、中表紙をタイトルやイラストをコラージュした手作り感のあるデザインに仕上げたほか、全ページにわたって有彩色を一切使用しないモノクロのデザインを採用。同社広報によると「会社の初心を表すハードコアモチーフ」を表現したといい、SNSでは「最高にロック」「尖っている」とじわり注目を集めた。

 続く2021年3月期の決算資料は社員のイラストをメインにしたカラフルなデザイン。社内のハートフルな雰囲気が伝わるような社員愛を感じさせるイラストは「遊び心がある」と評された。

 今回(2022年3月期第1四半期)は、架空のキャラクター「栗太郎」をとりまく新オフィスでの日常生活をゆるいタッチで描いたオリジナルの漫画を計4本掲載。澤田社長のヘアスタイルを彷彿とさせるシルエットや、澤田社長が栗太郎と同じデザインのTシャツを決算説明会で身につけていたことから、栗太郎のイメージモデルは澤田社長と考えられるが、同社広報はコメントを差し控えている。

 なお、「東証新市場区分(プライム市場)への適合に向けた取り組み概要」のページでは「既存株主」の説明資料として創業者の前澤友作氏の似顔絵を挿入している。

 イラストや漫画を手掛けたのは、モジーという社歴15年の社員。モジーは決算資料の最終ページのあとがきで、「ZOZOの特徴の1つにスタッフにいい人が多いというのがあります。いい人が集まることで生まれる社内の雰囲気や人間関係の良さがZOZOの力の源泉と感じます。今回はこの愛すべき人たちや日常をマンガにしました。一部マンガゆえの誇張もありますが、基本的には私達の日常を元に描いています。少しでも親しみを感じ、応援してもらえれば幸いです」と思いを綴っている。最新の決算資料についてSNSでは「相変わらず面白い」「どこまでIRで遊べるのが攻めてほしい」と好意的な声が寄せられている。
 斬新なデザインに変更した背景として、同社広報は「私たちはゾゾにしかできない、ゾゾらしさ"ソウゾウのナナメウエ"を常に意識しています。今回の決算説明会資料も単純な数字や結果だけではなく、そこへ至った私たちの想いやカルチャーを感じてもらいたく、このような表現にしました」と説明。業績好調を維持する澤田体制のZOZOだが、IR活動においてもさらに注目が集まりそうだ。

 なお、今四半期は商品取扱高1168億1000万円(前年同期比22.5%増)、売上高388億6600万円(同15.4%増)、営業利益125億円(同20.8%増)を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は87億3100万円(同19.3%増)と前期実績を2桁超えした。特にPayPayモール店が好調で、商品取扱高は同124.3%増の98億円と昨年に引き続き伸長。「夏のPayPay祭」に加えて「PayPayモール ファッション祭」で新規顧客を獲得し、リピーター増にもつながっていることから、澤田社長は決算説明会で今後の成長に期待感を示した。また、物流センター「ZOZOBASE つくば3」を2023年2月に竣工する予定と発表。同年秋から稼働開始予定で、商品取扱高5000~6000億円規模の対応が可能になるという。