レッドブル・レーシングが、F1第10戦イギリスGPでのルイス・ハミルトンへのペナルティに不服として、再審請求を行ったものの、スチュワードはそれを棄却。これを受けて、メルセデスが声明を発表した。
イギリスGP決勝1周目に首位を争うハミルトンとマックス・フェルスタッペンの間で接触が起き、フェルスタッペンはコースオフ、バリアにクラッシュし、その場でレースを終えた。幸いフェルスタッペンにけがはなかった。
スチュワードは、そのインシデントの責任の大部分がハミルトンにあったと判断し、10秒のタイムペナルティを科した。ハミルトンはそのペナルティを消化した上で、優勝。レッドブル首脳陣は、ペナルティは不十分だったとして、強い不満を示し、正式に再審理の請求を行った。
スチュワードは、7月29日にビデオ会議の形で、レッドブルとメルセデスの代表者から話を聞き、新たに提出された証拠を確認した。しかしその結果、レッドブルが提出したものは、再審を行う条件を満たしていなかったと判断、スチュワードは請求を棄却した。
従って、ハミルトンへのペナルティに変更はなく、イギリスGPでの優勝も維持される。
また、スチュワードは、レッドブルが証拠とともに提出した書状について、内容は公表しない上で、次のようにコメントした。
「スチュワードは、競技者の書状においてなされた、ある申し立てに、若干の懸念を持って留意している」と声明には記されている。
「これらは、この再審請求が認められた場合には、スチュワードに関係する申し立てになった可能性もある。スチュワードは、その後の裁定において、その申し立てを直接取り上げたかもしれない。だが、請求が棄却されたため、スチュワードは、これらの申し立てについては一切コメントしない」
具体的な内容については、FIA、レッドブル、メルセデスのいずれの関係者も口を閉ざし、明らかにしていない。
レッドブルの再審請求棄却の発表を受け、メルセデスは次のようなコメントを発表した。
「メルセデス-AMGペトロナスF1チームは、レッドブル・レーシングの再審請求権を打ち消したスチュワードの決定を歓迎する」
「このインシデントに終止符が打たれたことに加え、今回の決定により、レッドブル・レーシングの上層部による、ルイス・ハミルトンの名誉とスポーツ上の品位を傷つけようとする共同の試みに幕が引かれることを期待する。結局は再審請求権は認められなかったものの、そのために提出した書類のなかにも、そういった行為が見られた」
「我々は、今週末のレースに参戦し、2021年FIA F1世界選手権に向けた激しい戦いを続けていくことを楽しみにしている」
現地29日時点では、レッドブルは公式なコメントを発表していない。