メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、2021年F1第10戦イギリスGPの週末を前に7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンがブラックリーでシミュレーターセッションを行い、彼がシミュレーターのメリットを実感したと述べている。
タイトル争いのライバルであるレッドブルに5連敗を喫していたメルセデスは、先週末のシルバーストンでのラウンドを前に、レッドブルとの差を埋めるための努力を惜しまなかった。メルセデスはW12のパッケージにアップデートを投入し、珍しいことだがハミルトンがチームのシミュレーターで何時間も作業を行い、コースに出る前に様々なセッティングを試した。
金曜日の朝、その週末最初のフリー走行前にもハミルトンはシミュレーター作業を行い、重要になると考えられていた週末に向けてチームが完璧な準備をできるようにした。
「時間をとって、完全にやり残したことがないようにしたよ」とハミルトンは予選で最速タイムを出した後に明かした。
「フリー走行セッションを走行し、マシンを向上させようとした。そのためにスタッフにできる限りの情報を与えようと努めた」
メルセデスは、通常は準備と開発のためのシミュレーターセッションを元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンに任せている。しかしウォルフは、今年の苛烈なタイトル争いと、長年かけて開発されたシミュレーションツールによって、ようやくハミルトンにシミュレーターの価値を確信させることができたと考えている。
「以前は、シミュレーターは彼にとって最もお気に入りのツールというわけではなかったが、我々はシミュレーターをかなりのレベルにまで開発し、クラス最高のものを作り上げたのだ。そして彼はそのメリットに目を向け始めた」とウォルフは説明した。
「この戦いは厳しく、わずかなタイムでもすべてを掴み取る必要がある。そのためマシンをより理解するためにシミュレーターのツールでともに作業を進めてきた」
「パフォーマンスの点で我々は(マシンの)弱点を半分にした。そして持っている武器を総動員する必要がある。それが彼がドライバーとして行っていることであり、我々がチームとして行っていることだ」