トップへ

Brave Girls、2PM……チャート逆走後のカムバックでもヒット 成功のポイントは?

2021年07月23日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

Brave Girls『Summer Queen』

 韓国の音楽業界でよく耳にする国内音源チャートの「逆走」。これは音楽チャート外にいた曲が、ひょんなきっかけで大衆に注目され、チャートを上がってくる現象のことをいう。最近では、Brave Girlsが2017年にリリースした「Rollin’」でチャートを逆走し、音楽番組でも軒並み1位を獲得したことが記憶に新しいだろう。


(関連:K-POPガールズグループの勢力図に変化? Brave Girlsの大躍進、WeeeklyやSTAYCの登場……最新注目株を解説


 日本で人気の高い2PMも、2020年にその逆走劇の主役になった。2015年にリリースした「My House(우리집=ウリチブ)」が音楽チャートを逆走し、注目を浴びたのだ。そして、メンバー全員が兵役を終え今年6月、「完全体」で復活を遂げた。


 今回は、この逆走劇を成し遂げた後の2グループのカムバックを受け、成功のポイントについて考察してみたい。


■Brave Girls「Rollin’」での逆走、そしてカムバでの成功


 Brave Girlsの「Rollin’」は2017年3月に発表された楽曲だ。チャートを逆走し始めたのは、今年3月のことだった。きっかけはYouTubeにアップされた韓国陸軍慰問ステージ(※1)。そこから口コミで大衆の関心に火がつき、音源チャートを逆走し、音楽番組も制するという、まさにドラマチックな展開を迎えた。


 Brave Girlsは、熱が冷めやらぬうちにカムバックをすることになる。6月に発表された「Chi Mat Ba Ram」(『Summer Queen』リード曲)は、夏にぴったりのサマーソングで、配信後から韓国内の音源チャートでは軒並み1位を記録しいわゆる「音源チャートオールキル」に。MVの再生回数も1日で1000万回再生を超えた。


 「Rollin’」が逆走ヒットするまで、解散寸前にまで追い込まれていたというBrave Girlsは、逆走をきっかけに「Chi Mat Ba Ram」で本当の「再ブレイク」を果たしたと言えるだろう。


■2PM「My House」の逆走からの約5年ぶりの完全体復活


 2020年の「My House(ウリチブ)」逆走劇(※2)からリリースが待たれていた2PMも、6月に7thフルアルバム『MUST』でカムバックを果たした。メンバーの入隊で活動を休止してから5年ぶりの完全体となる。


 2PMの「My House」も、Brave Girlsと同じようにYouTubeの動画がきっかけで逆走劇を巻き起こした。当時、2PMはメンバーが入隊中だったため、Brave Girlsのようにすぐにカムバックをすることはできなかったが、『MUST』は、前回のアルバム『GENTLEMEN’S GAME』の初日音盤売上を大幅に超えた、31,494枚を売り上げた。音源チャートにもランクインを果たし、タイトル曲「Make It」のMVは2日で再生回数1,000万回を超えた。今回の成績は、「My House」による一過性のブームではないと言えるだろう。


 また今回のカムバックでは、JYPエンターテインメントから51Kに事務所を移籍したテギョンを含めた「完全体」でのカムバックになったことも注目された。事務所がバラバラになり、揃って活動することが難しくなるグループが多い中で、2PMの完全体復活はK-POPグループが長く活動していく希望になっただろう。


■逆走直後のカムバックが再ブレイクのキモに


 冒頭で記述した通り、韓国の音楽業界では音源チャートの「逆走」は珍しいことではない。大事なのは、逆走後のカムバックでも好成績を記録し、その後に続いていくかどうかだということだ。


 今回紹介したBrave Girlsと2PMは、活動期間の長いグループだ。逆走劇をきっかけに、逆走した楽曲以外の曲や、グループの知名度も一気に上がっていった。特にBrave Girlsは、逆走中に音楽番組やバラエティなどに立て続けに出演するという異例の活動もあった。この活動は、彼女たちの存在を多くの人たちが知る大きなきっかけになり、逆走後のカムバックでの再ブレイクにつながったと思われる。


 逆走のきっかけになるのは、コアなファン層以外の一般のリスナーだ。「新曲を聴きたい」「テレビでパフォーマンスを観たい」といった、逆走を先導した一般層が求めることに応えられることが、逆走後に成功を手に入れる一つのポイントになるのかもしれない。


※1:https://realsound.jp/2021/04/post-740569.html
※2:https://realsound.jp/2020/02/post-505039.html(西門香央里)