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決勝次第では要チェックチームに。Red Bull NSX-GTの笹原右京&大湯都史樹がみせた予選での快進の手応え【GT500予選あと読み】

2021年07月18日 09:11  AUTOSPORT web

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2021スーパーGT第4戦もてぎ Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
気温30度を超える真夏日のなかで行われた2021スーパーGT第4戦もてぎの公式予選。GT500クラスは、STANLEY NSX-GTがポールポジションを獲得し、山本尚貴と牧野任祐が前年王者らしい速さをみせた。

 その裏で、存在感溢れる走りを披露していたのが、今季は若手コンビで臨むRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTだ。朝の公式練習から好調な走りをみせ3番手につけると、午後の公式予選では大湯がQ1を担当し2番手で通過。続くQ2で笹原が1分37秒768を記録し、チームとしては今季ベストとなる予選3番手を獲得した。

 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは今季よりダンロップタイヤにスイッチしている。過去を振り返ると、夏場のコンディションで強さを発揮する傾向にあったダンロップだが、今回はコンディションに関わらず、今までにない手応えを掴んでいるという。

「タイヤメーカーが変わった1年目というのは、テストでデータは集めますけど、正直『もっと走りたい!』という気持ちになります。そのなかで、岡山、富士と実戦をやって、いろいろな傾向を学ぶことができたので、その点を活かすことができました」

「あと、2カ月半空いたことで、ミーティングも繰り返し行いました。そのなかで僕たちなりの(タイヤに対する)理解が進んでいたし、準備に費やす時間ができたことは良かったのではないかなと思います」

 そう語った笹原だが、Q2の自身のアタックはこれ以上にないベストラップを刻むことができたと語る。

「Q2に関してはベストアタックでした! 自信を持って走ることができましたし、1分37秒7が出たときは『おっ!』って思いましたね。最初はトップ5圏内にいければいいなと思っていたのですけど、最終的に3番手で終えられました。ポールポジションを獲れなかったのは悔しいですけど、こうして戦えるステップに来られたのが良かったです」

 Q1を担当した大湯も、朝から調子の良さを感じていたが、笹原と同意見でコンディションの影響ではなく、チームとタイヤの進化が結果につながったと語った。

「今までで一番感触が良かったですね。なので朝からの走行もそうですし、Q1も自信を持っていけました。調子が良すぎてちょっと困ってしまう感じでした。それくらい、チーム、クルマ、タイヤが進化して、うまく噛み合ってきている証拠だと思います。いい流れで来ているなと思いますし、結果としては3番手でしたけど、タイムとしては悪くなかったなと思います」

「でも、暑かったからうまく噛み合ったというわけではなく、それがいい意味で驚きだったと思います。正直ここまで暑くなってほしくないなという感じなので。純粋にパッケージが良くなってきているし、純粋にドライバーとしても自信を持って走れるようになってきています」

 ただ、彼らの課題は一発の速さというよりも決勝でのロングランでいかに安定できるかということ。その点についても、序盤2戦とは異なる戦いぶりができるのではないかと、ふたりとも期待していた。

「レースが始まると状況が変わってしまうかもしれないので、やってみないとわからないですが、公式練習の雰囲気からすると、良い方向には進んでいるのかなと思います。とにかくベストを尽くして全力でぶつかっていって、それで結果がどうなるか? それを岡山と富士で繰り返してきたことで、色々な経験をしてデータを集められています。今はチームもタイヤも成長していくには、それしかないです。とにかく“やれるだけやる!”ですね」(笹原)

「(決勝のロングランは)割と良いのではないかなと思っています。苦しい部分はあるでしょうけど、戦えるかなと思います。これまでの2戦とは違う戦いができるのではないかなと予想しています」(大湯)

 今回の決勝はもちろんのこと、彼らの進化ペースをみると、中盤戦以降は手強い存在になり得るかもしれない……そう感じさせてくれたRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの予選アタックだった。