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「かくしごと」神谷浩史「次回作にご期待ください」久米田へのツッコミも冴える

2021年07月17日 20:22  コミックナタリー

コミックナタリー

「劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―」舞台挨拶の様子。左から久米田康治、村野佑太監督、神谷浩史、八代拓、安野希世乃、佐倉綾音。
久米田康治原作によるアニメ「劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―」の大ヒット記念舞台挨拶が、本日7月17日に東京・新宿バルト9にて開催された。

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「『G-PRO』day」と銘打たれた本日の舞台挨拶には、久米田、村野佑太監督をはじめ、主人公でマンガ家の後藤可久士役を演じた神谷浩史、さらに可久士の職場である「G-PRO/ゴトープロダクション」でアシスタントを務める志治仰役の八代拓、墨田羅砂役の安野希世乃、筧亜美役の佐倉綾音が登壇した。

久米田と村野監督は揃って舞台挨拶に参加するのがこれで3度目。久米田が「ご安心ください。私と監督に与えられた時間は合わせて5秒くらい? 皆さんのご要望に応えたいと思います」と、キャスト陣の話を楽しみにしているであろう観客に配慮すると、村野監督も「(舞台挨拶の)台本からセリフが結構削られている。ニーズに合わせて修正が入っている」と補足し、隣で笑っていた神谷も思わず「なんで2人ともそんなに卑屈なんですか!(笑)」とツッコんでいた。

自身の演じる可久士の印象を聞かれた神谷は「自分にルールを課して、他人にも強制する。関わると面倒くさそうな人だなと思うんです」とコメント。続けて「G-PROの人たちは好意的に接してくれるので、人に恵まれているんだなと言う感じがあります」と可久士を支える個性的なアシスタントとの関係にも言及した。八代は「なんだかんだで尊敬していたり、好きでいるというのは大前提としてある」と自身の演じたチーフアシスタントの志治の可久士への心情を考察。個性的なメンツの中でのまともさが志治の特徴だと話す一方で、「ただ普通にやっていたらあんなに骨折はしないと思うので、あの環境がそうさせるのかな」と頻繁に骨折している理由が職場環境にあるのではと嘆いていた。

安野は原稿締切の間際に現実逃避のため、みんなで餃子を作り始めるエピソードが好きだと話し始める。安野が中でも「餃子を作ったから完成したんだろうが!」という亜美のセリフがお気に入りだと明かすと、佐倉が「あれは実話なんですよね?」と久米田に話題を振る。実話だと告白した久米田が「僕はちゃんと焼きましたから。焼くところまでやってから原稿を仕上げた」と補足。これに神谷が「工程がアニメより増えてるじゃないですか」とツッコむとキャスト陣から笑いが漏れた。

TVアニメに新規カットを追加した「劇場編集版」ということもあり、同作では追加でのセリフ収録が少なかったそう。そんな中、追加収録があったという佐倉は「亜美がいろんなものを察して考えた末に出たセリフがあるんです。先生(可久士)のことを実は一番わかっている人なのかなと、追加収録を経て思いました」と改めて作品に向き合えたことに感謝する。これを受けて村野監督は「本当だったら亜美が先生に関して深いところで理解しているという描写が、コンテの段階ではあったんです。もっと追加収録しようと思っていたんですけど尺の関係でカットになりました」と制作秘話を明かした。

最後の挨拶では神谷が「原作の終わりに準じた形で皆さんにお届けしようと作られたのがこの作品です。本当に奇跡的な状況でできあがってるものなので、最後まで関われたことが本当にうれしく思っています」と喜びを伝える。そして「久米田先生の次回作にご期待ください」と締めると、会場から大きな拍手が贈られた。

■ 「劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―」
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□ スタッフ
原作:久米田康治(講談社「月刊少年マガジン」)
監督:村野佑太
脚本:村野佑太、あおしまたかし
キャラクターデザイン:山本周平
美術監督:本田光平
美術:草薙
色彩設計:のぼりはるこ
仕上げ:緋和
撮影監督:佐藤哲平
撮影:旭プロダクション白石スタジオ
編集:白石あかね
編集スタジオ:瀬山編集室
音楽:橋本由香利
音響監督:納谷僚介
音響制作:スタジオマウス
アニメーション制作:亜細亜堂
配給:エイベックス・ピクチャーズ
製作:劇場編集版かくしごと製作委員会

□ キャスト
後藤可久士:神谷浩史
後藤姫:高橋李依
十丸院五月:花江夏樹
志治仰:八代拓
墨田羅砂:安野希世乃
筧亜美:佐倉綾音
芥子駆:村瀬歩
六條一子:内田真礼
マリオ:浪川大輔
古武シルビア:小澤亜李
東御ひな:本渡楓
橘地莉子:和氣あず未
千田奈留:逢田梨香子

(c)久米田康治・講談社/劇場編集版かくしごと製作委員会