トップへ

「ニアー ニッポン」が“100%サステナブル”なアイテムの展開開始 エシカルアイコン記した下げ札も導入

2021年07月17日 11:02  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「ニアー ニッポン」2022年春夏コレクションのルックより Image by: near.nippon
深山拓也と上島朋子が手掛けるウィメンズブランド「ニアー ニッポン(near.nippon)」が、2022年春夏シーズンからトレーサビリティの明確な素材を使用した100%サステナブルなアイテム展開を開始する。これまでもサステナブル素材を一部に取り入れてきたが、今シーズン以降より注力していくという。

 今シーズンに採用したサステナブル素材は、イタリアのマンテコ(MANTECO)社が提供するコットン、トルコのオーガニック専門メーカーで作られたオーガニックコットン天竺、3年以上農薬が使用されていない畑で栽培されたオーガニックコットンとフレンチリネンの混紡素材の全3種。
 マンテコ社のコットンは70%リサイクル、30%オーガニックコットンで構成されており、適度な厚みを持ちながら柔らかく優しい手触りが特徴。リサイクルに関する世界基準のGRS認証とオーガニック繊維製品であることを証明するOCS認証を取得しているほか、より持続可能性に配慮した推進されているサステナブル・コットンを推進する国際NGO団体 BCI(The Better Cotton Initiative)からの認証も得ている。オーガニックコットン天竺は有機生産の原料を承認するCUC(Control Union Certifications)とオーガニックテキスタイル世界基準であるGOTSを得ている素材で、綿花の栽培から生地の仕上げまで一貫したメーカー管理のもとで行われている。オーガニックコットンとフレンチリネンの混紡素材には世界的にも希少な超長綿が使われており、コットンの持つ油分を損なわずに紡績しているためしなやかな仕上がりになっている。
 マンテコ社のコットンはオールインワン(6万2700円)、ロングジレ(4万5100円)、イージーパンツ(2万8600円)の3型、オーガニックコットン天竺はロングスリーブTシャツ(1万9800円)の1型、オーガニックコットンとフレンチリネンの混紡素材はブラウス(2万4200円)の1型に使用。全て受注生産で、ハギレをなるべく少なくするためにシルエットを調整するなどパターンにも工夫を取り入れたという。発売は2022年2月を予定。なお、今回採用したサステナブル素材はロットが大きいため、今シーズンに限らず使い切るまで継続的にコレクションに投入していく方針だ。

 また、今シーズンから首元のタグを再生ポリエステルに、下げ札を古紙に素材を切り替える。下げ札に関してはオリジナルで開発したエシカルアイコンをプリント。「天然素材を使用」「オーガニック素材を使用」「リサイクル素材を使用」「日本の素材を使用」「家庭での手洗いが可能」など12種のアイコンを制作し、各商品に関連するアイコンを下げ札に明記することで、消費者に対してエシカルな取り組みへの意識を高める狙いがある。このほか、ブランド公式オンラインショップでの売上の10%を森林保全団体more treesと医療・人道援助活動を行う国境なき医師団に寄付するなど、ものづくり以外の面でもサステナビリティへの取り組みを強化する。

 サステナブルなものづくりにはクリエイションに制約が生じる部分も出てくるが、デザイナーの深山拓也は「アパレル業界は今、負荷をかけないことが使命になっているが、今回使ったサステナブル素材は僕自身が可愛いと思って選んだもの。どんな素材でも気に入ってもらうことが重要だと思う。サステナビリティを担保しつつモードの服を作っていきたい」とコメント。今後も可能な範囲でサステナビリティを追求したアイテムの構成比を引き上げていく考えを示した。