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三陽商会、江角泰俊による新生「クレストブリッジ」に手応え 秋冬はデザイン性を訴求したコレクションを始動

2021年07月16日 13:42  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

江角泰俊 Image by: FASHIONSNAP
三陽商会が展開する「ブルーレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL CRESTBRIDGE)」とメンズの「ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」が、「エズミ(EZUMi)」の江角泰俊をクリエイティブディレクターに起用してから2021年秋冬コレクションで2シーズン目に突入する。同氏のディレクションによる初のシーズンとなった2021年春夏コレクションは好評を得ており、国内の客数は2019年実績を超えたという。江角は「ディレクションやブランドの方向性が合っていた」と自信を示し、2021年秋冬コレクションではアフターコロナの消費動向を見据え、デザイン性を強く訴求したカプセルコレクション「Blue Lab : EZUMi」を新たに立ち上げる。

 江角は2020年秋冬コレクションをもって契約満了に伴い退任した「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」の三原康裕の後任として、クレストブリッジのクリエイティブディレクターに就任。2021年春夏シーズンはブランドシグネチャーの「クレストブリッジチェック」をピンクカラーで展開するなど新しい提案を盛り込んだほか、ブルーレーベルでアーティストHana4とのコラボレーションアイテムを発売し、新たな世界観を打ち出した。インスタグラムでのライブ配信など、主に原宿本店を中心としたSNSでの発信やイベントの開催が反響を呼び、売上は想定を上回る進捗となり、ブランドを離れていたファンの戻りも見られたという。顧客層は20~30代がメイン。男性客からのニーズもあり、全体の4割程度となっている。
 2021年秋冬シーズンにブルーレーベルで立ち上げるカプセルコレクションでは、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館をインスピレーション源に、機能素材を取り入れたデザイン性の強いアイテムを提案。ボレロとワンピースを組み合わせた“2着で1着になる”コートをはじめ、異素材をドッキングしたニットやスカートなど20型をラインナップし、いずれも「メインコレクションではできない、チャレンジしたかったデザインに取り組んだ」(江角)という。カプセルコレクション専用のクレストブリッジチェック「ラボブラック」も開発した。価格帯は2万4200~6万1600円で、メインコレクションよりも1~2割ほど高い設定。ファーストコレクションは8月から販売し、2ヶ月ごとに区切って新作を投入する。今後もシーズンを象徴するような発信力のあるコレクションとして継続展開する予定で、ブランドのアーティスティックな側面を打ち出していく。

 また、ブラックレーベルでは春夏シーズンから展開しているリラックスアクティブウェア「BLACK lab. relaxing」の好調を受け、アウトドアやミリタリーの要素を落とし込んだ「BLACK LABEL : EZUMi」を発表。キルティングやボア素材を組み合わせたアウターやトップスなど10型を製作した。価格帯は2万4200~7万9200円(いずれも税込)。

 クレストブリッジでは新型コロナウイルス感染拡大前までは、外国人観光客からの購入が売上の2~3割と高い比率だったという。コロナの影響で外国人観光客による売上は減ったが、春夏シーズンに国内客が増加したことを踏まえ、江角は「来年以降、外国人観光客からの売上が復活したら、全体の売上はもっと伸びるのではないか」と期待感を示した。