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「30代・スキルなし・未経験」の転職 高難易度をくぐり抜け、採用される人の特徴とは?

2021年07月15日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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30代での転職活動は、それまでやってきた仕事の「経験」が重要になってきます。そのため、30代で「異業種・異職種・未経験」となると、かなり転職の難易度が高くなります。

私のところに相談が来た際には、難しさを説明し、本気度を確認しながら進めるようにしています。採用が難しいのは、年収と年齢の問題です。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)

(1)年収が合わない

職務経験を積んだ30代は、新卒と比べると年収が高いケースがほとんどです。ところが、異業種・異職種の転職になると、職務経験がゼロになり、企業が提示できる年収は、かなり低くなります。

そのため、年相応の給与を期待する30代と企業との間で、給与の折り合いがつかないケースが多く見受けられるのです。

(2)年齢が合わない

職務経験アリの自社の20代と、未経験の30代が一緒に仕事をするとなると、マネジメントや教育において人間関係がギクシャクする場合もあります。そのため、職場の雰囲気や業務指導の面で懸念を示す企業が多くなります。

採用される「特徴」とは


しかし、採用担当者に聞いたところ、全くの未経験でその職種におけるスキルも全くなくても、「是非採用してみたい」と思う人は確実にいるそうです。

それは、どんな人なのでしょうか?

(1)仕事への向き合い方が真摯

ひとつは、任された仕事をしっかりと全うしようとする姿勢であったり、仕事のスピード感など、いわゆる"仕事へのスタンス"がしっかりと出来上がっている人です。こういった人なら、未経験の仕事であっても、「仕事の出来ない自分」と向き合って、成長できるからです。

(2)学習意欲が高く、習得スピードが速い

もうひとつが、「新しいものに対しての学習意欲が高い人」です。たとえば、WEBデザイナーに「職務経験なし」で応募してきた人たちの中でも、手ぶらで応募してくる人と、「独学で勉強し、こんなサイトを作りました」とそれなりの実績を作って応募してくる人なら、採用されやすいのは間違いなく後者でしょう。

ここで採用担当に「初めて作ったサイトにしては、センスが良い」と思ってもらえれば、採用される確率はグンと高まります。学習意欲が高く、習得スピードが速い人なら、経験者を追い越して成長する可能性もあるからです。

(3)素直

30代で未経験だと、上司や同僚が年下になるケースが多々あります。そういうとき素直に年下の指導を聞き、実行することが出来るかどうかは、重要なポイントです。優秀そうであったとしても、この素直さが感じられない場合、採用を見送ることも多々あります。

直近で実際にあったケースですが、WEBの広告運用を募集しているクライアント先があり、そこで未経験の31歳男性が採用されました。

この方は、この(1)~(3)の要素をすべて持っていました。もともとは営業職でしたが、広告運用をどうしてもやりたいということで、スクールに通われ、知り合いの会社の広告運用を無償で手伝って、ある程度の成果をだされていました。

営業時代の仕事の進め方の丁寧さや、風土的な一致も含めて、最終的には経験者に打ち勝って採用されました。「異業種・異職種の転職をしたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

【プロフィール】坂元 俊介 株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント
同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。