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ウィリアム王子、イングランド代表選手への人種差別的投稿を猛批判「忌まわしい行為」

2021年07月14日 17:21  Techinsight Japan

Techinsight Japan

SNSの人種差別的コメントを激しく批判したウィリアム王子(画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年8月15日付Instagram「We must not forget our responsibility to learn the lessons of the past, and ensure that the horrors of the Second World War are never repeated.」』のスクリーンショット)
ユーロ2020(サッカー欧州選手権)決勝でPKを外したイングランド代表の選手3人が、SNSで人種差別の標的となっている。これに対しウィリアム王子が声明を出し、「うんざりしている。全く受け入れられない」と激しく批判した。SNS各社はこれらのコメントの削除やアカウントを停止したと発表、ロンドン警視庁も捜査に乗り出すことを表明し、英国で大きな社会問題となっている。

現地時間11日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムでユーロ2020(サッカー欧州選手権)決勝「イタリア代表VSイングランド代表」が行われた。イングランドにとって、主要国際大会での決勝進出が1966年7月のワールドカップ以来55年ぶりという歴史的な試合となった。

試合はPK戦にもつれ込んだ結果、イングランドが2-3でイタリアに敗れた。そして試合後、PKを外したイングランドのマーカス・ラッシュフォード選手(23)、ジェイドン・サンチョ選手(21)、ブカヨ・サカ選手(19)の3人が、SNSでの人種差別や誹謗中傷のターゲットとなったのである。

こういったコメントに対し、ウィリアム王子が公式ツイッターで声明を発表、「昨晩の試合後、イングランドの選手達に向けられた人種差別的な誹謗中傷にうんざりしている。選手達がこのような忌まわしい行為に耐えなければならないことは、全く受け入れられない。このようなことは今すぐ止めて、関係者全員が責任を負うべきだ」と激しく非難した。

王子はイングランドサッカー協会(FA)の会長を務めており、決勝戦当日はウェンブリー・スタジアムでキャサリン妃と長男ジョージ王子と共に試合を観戦した。

ロンドン警視庁は「ユーロ2020決勝戦の後、ソーシャルメディア上でサッカー選手に対して攻撃的で人種差別的なコメントが多数寄せられていることを認識している。このような不正行為は全く受け入れられない。容認されることはなく、捜査されることになる」とツイートした。

イングランドサッカー協会も声明を発表し「このような醜悪な行為をする者は、チームのファンとして歓迎しない」と差別に対する強い非難を伝えた。またイングランド代表のガレス・サウスゲート監督は「許せないことだ」と記者会見で述べた。

イングランド代表は以前から試合前に地面に膝をついて人種差別へ抗議する姿勢を見せてきたが、ブーイングする観客がいることが問題視されていた。イングランドにとってユーロ2020開幕戦となったクロアチア戦の試合前、選手達が膝をついた時には大きな拍手が湧き、ブーイングの声はかき消されていた。

試合当日から翌日にかけ、一部のサポーターは3人の選手達のInstagramに肯定的なコメントを書き込んだり、誹謗中傷コメントを報告するなどして人種差別的な発言をかき消そうとしていた。

その後、ツイッター社は1000件以上の悪質なツイートを削除し、多数のアカウントを停止したと伝えている。Instagramを所有するFacebook社もこのようなコメントを削除したと発表、「今後も我々の規制を破った者には対処していく」と述べた。

画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年8月15日付Instagram「We must not forget our responsibility to learn the lessons of the past, and ensure that the horrors of the Second World War are never repeated.」』『England football team 2021年7月12日付Instagram「For showing courage and stepping up.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)