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「パパなんかいらないよねー」妻のモラハラがつらくて不倫してしまった! 慰謝料は減額される?

2021年07月14日 10:01  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

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妻のモラハラに耐えられず不倫をしてしまったという男性が、「慰謝料が減額されることはあるでしょうか」と弁護士ドットコムに質問を寄せました。


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男性はこれまでご飯作りや寝かしつけなど、積極的に家事育児に参加してきました。しかし、妻は8年間にわたって男性に罵詈雑言を浴びせてきたといいます。



たとえば、給料日には「給料が少ない!もっと上げろと会社に言え!」と怒鳴り、時には「あんた1人の名義で家も建てられないくせに!」と馬鹿にしてくることも。さらに子どもたちに「パパなんかいらないよねー!」と言うこともあり、男性は「いつの間にか妻のことが愛せなくなっていました」とこぼします。



こうしたストレスが積み重なり、男性はつい不倫をしてしまいました。しかし妻は離婚に応じず、男性は「不倫した自分が悪い」と認めつつも「もう妻の顔も妻の両親の顔も見たくないです。何度死んでしまおうかと考えたことか…」と思い悩んでいます。



果たして、こうした妻のモラハラが原因で不倫慰謝料が減額されることはあるのでしょうか。伊藤真樹子弁護士に聞きました。



●モラハラに当たる可能性が高いが...

——不倫の慰謝料はどのように決まりますか?



不貞の慰謝料額は、不貞の態様や、婚姻期間の長短、子どもの有無など、様々な事情を総合的に考慮して判断されます。



今回のケースでは、夫が良好な家庭を築こうと努力してきたにも関わらず、妻から一方的に言葉の暴力とも言えるような対応を継続的にされてきたとのことで、いわゆるモラハラにあたる可能性が高いと思われます。



そのストレスが積み重なり、「妻のことが愛せなくなって」しまい、つい不倫をしてしまったという経緯です。



このように、不貞行為以前に、既に婚姻関係が崩壊寸前だったような場合には、慰謝料の額を判断するにあたり、減額する要素の一つとなる可能性が高いと言えます。



——ただ、妻は離婚に応じていないそうです



その場合、仮に夫がどうしても離婚をしたいのだとしても、離婚は認められない可能性があります。なぜなら、不貞の経緯として妻にも責任の一端があるとしても、夫が不貞をしたという事実、つまり有責配偶者であるということには違いなく、判例上、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められていないからです。



不貞の前に既に婚姻関係が破綻していたとまで言える状況であれば別ですが、そうでない限りは、今回のケースでも夫からの離婚請求は認められない可能性が高いでしょう。




【取材協力弁護士】
伊藤 真樹子(いとう・まきこ)弁護士
2008年に弁護士登録後、離婚や相続などの家事事件、債権回収などの民事事件を500件以上取り扱う。「何かあったらすぐに相談に行ける、身近な法律事務所」をモットーに法律事務所を運営。
事務所名:仙川総合法律事務所
事務所URL:http://sengawa-law.jp/