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エド声優・朴璐美「ハガレンは哲学書」 『鋼の錬金術師』20周年記念特番で語り合った色あせない魅力

2021年07月13日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

「ハガレンは哲学書」20周年記念特番レポ

 作品生誕20周年を迎えた『鋼の錬金術師』がYouTube、Twitterで「『鋼の錬金術師』20周年記念特番」を配信した。


 アナウンサーの松澤千晶がMCを務め、アニメで主人公エドワード・エルリックの声を担当する声優・朴璐美、アルフォンス・エルリックの声を担当する声優・釘宮理恵が出演。『鋼の錬金術師』の魅力について大いに語り合った。


(参考:【画像】『鋼の錬金術師』20周年ロゴ


 配信前からYouTubeのコメント欄にはハイスピードでファンたちの声が流れて行き、その量に改めて『鋼の錬金術師』の人気の高さが伺うことができた。


 今でも『鋼の錬金術師』関連で声の収録はあるが、朴と釘宮は共演が久しぶりとのことで、それだけで笑顔がこぼれる2人。さっそく視聴者を和ませた。


 番組ではまず『鋼の錬金術師』の作品を改めて紹介したほか、エドとアルのキャラクターの魅力を朴と釘宮が分析。


 松澤に『鋼の錬金術師』の魅力について問われると、朴は「荒川弘先生が痛みにちゃんと向き合って描かれた作品。私たちも声をあてさせていただく上でその痛みを届けることは意識していた」と語った。釘宮は、この特番に出演するにあたり、事前に『鋼の錬金術師』を全巻読み返したという。そして「27巻という長編ファンタジーだけど、あっという間に読み進めてしまう。普遍性しかない作品」と釘宮が言うと、朴も大きく頷いた。


 「命や生きるということを見事に描いた作品」と語る朴は物語のメッセージを伝えるために、大きなものを背負っていたのかもしれない。一番近くでエドを見ていたことになる釘宮は「途中からエドの表情が大人びていった」という。朴も「荒川先生の絵のタッチが変わったのか、エドもアルも大人になっているのは分かった。この2人が子どもでいられる期間はめちゃくちゃ短かったんだな」と少し寂し気な表情をのぞかせた。


 エドとアルを演じているうちに、朴は釘宮の姿に次第にアルが重なるようになっていったという。また、エドとアルの関係と、朴と釘宮の関係も似ていったそうだ。「エドには必ずアルがいてくれるから前に進める」というように、朴も釘宮が見守ってくれていることで支えられていたと。特番中も、朴と釘宮は終始仲睦まじそうだったが、『鋼の錬金術師』という世界を共に過ごしてきたからこそなのは間違いないだろう。


 番組後半ではそれぞれが好きな名言をピックアップ。朴からは「ハガレンはやっぱり哲学書」という言葉が飛び出し、釘宮も「だから名言が多いんだと思う。そのときの自分にふさわしい言葉が見つかる」とうなずいた。


 そんな2人が原作15話の名シーンを生アフレコ。これには、ファンのみならず、MCの松澤も感激した様子を見せていた。


 そして、20周年を記念として行われるさまざまなプロジェクトが紹介された。原画展『鋼の錬金術師 RETURNS』の開催、『鋼の錬金術師』20周年記念本制作、更には荒川弘氏の最新作が「少年ガンガン」で連載決定。これらは12日の日中に発表されていたものだが、SNSでは「荒川先生」がトレンドに入るなど、新連載に大きな期待が寄せられているのがわかる。


 また、2022年にコラボカフェの開催、新作スマートフォンゲームの製作決定も発表された。「すでに収録は始まっているんですが、かなり原作に沿った内容になっている」と朴。続報は2021年冬とのことだ。


 最後に、朴は「年代関係なく、この作品が成長の糧のひとつになってくれたら。そして、またこうしてみなさんと振り返りながら、楽しみながら、過ごしたいな、と思いました」と言い、続けて釘宮も「自分なりの『鋼の錬金術師』の楽しみ方をしてもらえたら」と締め括った。


 世代を超えて愛され続ける『鋼の錬金術師』。20周年スタートの日に素晴らしい1年になることを予感せずにはいられない特番となった。この記念すべき年に、『鋼の錬金術師』はさらに多くの人の心を掴むことになるのではないだろうか。


(文=ふくだりょうこ)