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ハーレーに新しい風! 初のアドベンチャーモデル「パン アメリカ」に試乗

2021年07月13日 11:02  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
ハーレーダビッドソン初のアドベンチャーツーリングモデルとして登場した「パン アメリカ 1250」と「パン アメリカ 1250 スペシャル」が人気だ。今年2月に日本で予約販売を開始して以来、すでに100台以上の受注が入っているというから、今後は街で見かける機会も増えるだろう。そんな注目モデルを今回、プレス向け先行試乗会で試してきた。

○初のアドベンチャーツアラーに見るハーレーの本気度

パン アメリカについてハーレーダビッドソンジャパン代表取締役の野田一夫氏は、「ハーレーダビッドソンの新しい歴史を開くモデル」と大きな期待を寄せる。

それにしても、なぜアドベンチャーセグメントなのか。

当然ながら、アメリカンクルーザーはハーレーダビッドソンが絶対の自信を持つセグメントだ。しかし半面では、その需要が縮小すると販売台数も減少してしまうという弱点も抱えていた。その解決策として導き出したのが、世界的に人気を集めるアドベンチャーセグメントへの進出だったというわけだ。

では完成度はどうか。パン アメリカ分野の日本責任者となる「パン アメリカ・セグメントチャンピオン」の肩書を持つハーレーダビッドソンジャパンの稲岡弘伸氏からは、「初めてにしては、よくできていると思う」という回答が得られた。

期待は高まる一方だが、試乗の前に注目ポイントをチェックしておきたい。

まず、搭載するエンジンは、パン アメリカの特性を最大限に引き出せるようチューニングを施した新開発の水冷Vツインエンジン「Revolution MAX」だ。部品はグラム単位で精査して軽量化を実現。動力性能は最大出力112kW(152PS)/8,750rpm、最大トルク128Nm/6,750rpmとなっている。このエンジンをシャシー中央に配し、オフロードで求められる安定性と操作性を向上させた。

パン アメリカ 1250 スペシャルで要注目なのが、業界初の機能となる「アダプティブライドハイト」(ARH)だ。これは車高の自動調整機能で、赤信号などの停車時には足つきがよくなるようシート高を低く、走行時は830mm~873mmの調整幅でシートの高さを自動的に切り替えてくれる。

車高の決定には、同じく「スペシャル」の専用装備である電子調整式の「セミアクティブ フロント & リアサスペンション」も一役買っている。2つの機能でライダー、同乗者、荷物の重量を感知することで、自動調整による最適なセッティングが可能になるそうだ。
○パン アメリカに試乗!

ここからは試乗レポートをお届けしたい。

エンジン始動前は、パン アメリカ 1250 スペシャルであってもシート高は変化しない。その代わり、シート差込口が2段階用意されているので、最初の足つきが心配なら事前に調整しておくのがオススメだ。

ハンドル右の上部にあるスイッチをプッシュしてエンジンをかけると、レスポンスよく水冷Vツインエンジンが反応し、すぐに小気味よいサウンドを奏で始める。

走り出しからふらつくことのない安定感はさすがの一言。吹け上がりも快調だ。乗っていても、不思議と重さを感じることはなかった。ハンドリングも軽やかでコーナーも思い通りに回れるので、ストレスを感じることもない。これなら、長距離を乗っても疲れにくいだろう。

注目のARHだが、試乗中に何度かあった停車時には、しっかりと両足を地面につけることができた。逆に、走行時にはシート高が変化している様子を感じなかったが、それだけスムーズに調整しているということだろうか。

試乗では林道も走った。林道走行は初めての経験だったが、「ライドモード」を「オフロード」に変更したところ、雨で路面がぬかるむという悪条件が重なる中でも、難なく走破できた。試乗中は雨が降ったり止んだりという天候で、刻一刻と路面状況が変化した。こういう状況だからこそ、「ライドモード」の存在はとても心強かった。

ハーレーダビッドソンジャパンでは、パン アメリカの日本デビューを記念した「Pan America デビューフェア」を全国のハーレーダビッドソン正規ディーラーにて開催する予定。期間は7月17日(土)~8月1日(日)だ。来店試乗者には非売品の特製アイスタオル(数量限定)のプレゼントもあるで、この機会にその実力を直接確かめてみてはいかがだろうか。

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)