メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1イギリスGPで初めて実施される“スプリント予選”システムについて、多数のオーバーテイクが見られることは期待できないと語った。一方で、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、ファンを興奮させるレースになると確信している。
F1は、ファンや視聴者の注目度を高めるため、今年3回にわたって週末のフォーマットを変更し、土曜にスプリントレースを実施する予定であり、その最初の週末が、第10戦イギリスGPとなる。この週末には、金曜に予選が行われ、その結果をグリッドとして、土曜に“スプリント予選”と呼ばれる100kmのレースが開催される。スプリント予選のリザルトは、日曜の決勝グリッドとなる。
F1首脳陣はスプリント予選で激しいバトルが繰り広げられることを期待している。しかしハミルトンは、シルバーストンのレイアウト上、それは難しく、マシンが順位の変動なく連なって走ることになると予想する。
オーストリアGPの週末にスプリント予選について聞かれたハミルトンは、「たぶん、“トレイン”になるだろうね」と答えた。
「オーバーテイクが何度かあればいいなと思うけれど、たぶんあまりエキサイティングな展開にはならないだろう」
「様子を見ていくしかない。やってみる前に判断しても意味はないからね」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、通常のレースよりもプッシュして走ることができるのを楽しみにしているが、オーバーテイクが困難であるという点ではハミルトンと同意見だ。
「1セットのタイヤで17周を走るわけだから、通常よりもプッシュして楽しめるはずだ。ただ、プッシュし続けていくと、オーバーテイクが難しくなる」とサインツは語った。
「それは明らかなので、どうなるかを見ていくしかないね」
ロス・ブラウンは、スプリント予選初開催を前に「緊張している」と認めているが、この試みが期待どおりの効果をもたらすものと自信を持っている。
「未知の領域なので、緊張している」とブラウンは『Channel 4』に対して語った。
「だが、我々はこのイベントのために膨大な仕事をしてきたし、チーム自身も同様だ。成功する最大のチャンスを得ていると思っている」
「ファンを引き付けるため、彼らが興奮するようなレースを実現する必要がある。ファンは興奮してくれると思うが、それは実際にやってみるまでは分からない」