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発見! あぶない家 第1回 今日からできる防犯対策とは? 「防犯生活」の始め方

2021年07月08日 07:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
みなさんは「防犯生活」ってどんな生活だと思われますか? 病気にならないための予防医学はご存じだと思いますが、それと同じ。普段の生活の仕方を少しだけ工夫することによって犯罪被害に遭いにくくなる生活のことを「防犯生活」といいます。

普段、私達は何気なく生活をしていますが、その生活が気付かないうちに犯罪者にとって都合の良い生活をしていることを知っていただきたいと思います。
○家にいてもいなくても鍵をかける

あなたは家に人がいるとき、鍵をかけて生活をしていますか? 住宅侵入犯罪者(泥棒)は家を留守にしている時に入ってくる「空き巣」だけではありません。

家人が生活中に入ってくる「居空き」、就寝中に入ってくる「忍び込み」があります。最近の泥棒は凶器を持っているケースが多く凶悪犯罪に発展している事件が多発しています。今の時代、家人が家にいる時もしっかりと鍵をかけて生活する必要があります。
○不在時でも夜は室内照明を

あなたは外出するとき、室内照明をつけずに出かけていませんか? 夕方暗くなっても家に室内照明がついていない家は「家は留守にしてますよ」と犯罪者に教えているようなものです。

帰宅が遅くなる場合は、通りからよく見える部屋の室内照明をつけて外出してください。人がいる気配が出ます。電気代が気になる方は、リモコンにタイマーが付いている照明器具に換えるか、壁のスイッチをタイマー機能が付いているスイッチに換えるなどしていただききたいです。

そしてレースのカーテンはしっかり閉めドレープカーテンは全部閉めずに10cm~20cm開け、外に灯りが漏れるようにしておくと防犯効果があります。できれば就寝する時も、外から見える部屋の室内照明を一か所つけておいていただきたいです。室内照明はタイマー機能を上手に活用してください。
○外に洗濯物を干しっぱなしにしない

留守情報は室内照明だけではありません。雨が降っていても洗濯物が外に干したままになっている。これも犯罪者に留守情報を与えていることになります。天気予報をチェックして、留守中に雨が降りそうなときには室内干しにして出かけていただきたいです。
○郵便ポストにも鍵をかける

あなたは郵便ポストにきちんと鍵をかけていますか? 実は郵便ポストに鍵をかけていない人が多いことに驚きです。郵便物は家族情報の宝庫! 犯罪者にとってヨダレが出るほどの情報が郵便物にはあります。防犯の基本は鍵かけです。郵便ポストも忘れずに鍵をかける習慣を付けていただきたいです。
○表札は名字だけに

家の表札に家族全員のフルネームを書いていませんか? 家族全員のフルネームが書いてあると、何人家族か・そこの家が女性ばかりの家・高齢者の家・小さい子供がいる家・一人暮らしなど、家族構成が分かります。表札は名字だけにしていただきたいです。逆に一人暮らしの女性の場合は、あえて男性の名前を書くことで防犯対策になります。
○置き鍵は厳禁

お子さんのいるご家庭は「子供が鍵をなくすからポスト等に置き鍵をしてる」という方がときどきいらっしゃいますが、とても危険な行為なので絶対にすぐにやめていただきたい。誰がどこで見ているか分かりません。その置き鍵を使って侵入されているケースも少なくありません。
○来訪者の応対に玄関ドアを全開にしない

今、この社会状況下で通信販売で買い物をする方が多くなっています。これは犯罪者にとって実に都合の良い状況になっています。

「宅配便です」や「お荷物のお届けです」とインターホンが鳴ったとき、貴方は「はーい。ご苦労様」と玄関を全開していませんか? これでは押し込み強盗の被害に遭ってしまいます。本当の宅配業者なら良いのですが、もし強盗犯だったら……と考えるとゾッとしませんか⁉

宅配業者を装ってくるだけではありません。他にもガスや水道などの点検業者を装ったり、共同住宅の場合は管理会社や不動産業者などを装って来ることもあります。在宅中は鍵をかけたときにドアガードやドアチェーンも一緒にかけるようにしてください。そして、いかなる来訪者でも必ずドアガードやドアチェーンをかけたまま対応なさっていただきたいです。
○換気の窓開けにもご注意を

これからの季節、室内に風を入れたい、エアコンは苦手だから自然の風が良い、と在宅中や就寝中に網戸だけで生活をする方が多いですが、入ってくるのは風だけではありません。風と共に犯罪者も入ってくることを知ってください。

どうしても窓を開けたい場合は、少しだけ窓を開けることができる鍵付きの補助錠をサッシ枠の上部に取り付け、窓の内側に扇風機やサーキュレーターを置き部屋全体に風が行くようにすると意外に快適に過ごせます。
○夜間レースカーテンだけで過ごさない

夜間レースのカーテンだけで生活をしている若い女性がいますが、今日からは絶対やめてください! 夜間レースのカーテンだけで過ごしているあなたの生活が外から丸見え状態になっています。夜間は必ずドレープカーテンも閉め、覗かれないようにしていただきたいです。

「防犯生活」少し分かっていただけたでしょうか。他にもまだまだあります。普段の生活をほんの少し見直すだけで、犯罪被害に遭う確率がグンと低くなります。

今日から出来る「防犯生活」、ぜひ実行していただきたいですね。

一般社団法人 日本防犯学校学長/防犯ジャーナリスト : 梅本正行 うめもとまさゆき 1964年からセキュリティ事業に参入し、警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。侵入犯罪の現場には極力足を運び、犯罪現場の環境や犯行手口など、事件の内容を検証。その数は8,000件を越え、今もなお増え続ける。現在、犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとして活躍。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で予知防犯対策を提唱している。また、行政・自治体・民間企業等でのセミナーや講演も多く、人情味あふれる独特のキャラクターで予知防犯対策の重要性と人の命の尊さを呼びかけている。通称「防犯の梅さん」。 防犯対策責任者の育成にも力を入れ、養成講座を開講する傍ら、犯罪抑止に力を注ぐと共に経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画していた。現在は地域の防犯ボランティアの育成や防犯住宅を造る工務店の育成を全国で行っている。 一般社団法人 日本防犯学校 この著者の記事一覧はこちら(梅本正行)