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リモート会議「部下がまじめに参加しない」のは上司のせい? 無駄な会議をやめるコツ

2021年07月08日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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リモートワークになり、仕事に集中できるかと思ったら「不要な会議が増えた」という悲しみの声が、多くの従業員から寄せられています。「出る必要があるのだろうか」「どうせ、何も決まらない」といった疑問を抱きながら、会議に参加している、という話もよく耳にします。

話を聞いてみると、メンバーの顔が見えないので不安になった現場管理職が、Web会議システムでのミーティングや面談を増やしていた、というケースが多く見受けられます。そこで、今回はリモートワークでも生産性の高い会議をする方法について、お伝えします。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

「ちゃんと聞いてる?」部下への疑念が会議を台無しに


Web会議システムは、在宅で会議や面談が出来る点では画期的ですが、対面に比べれば肌感がつかみにくい。そのため、

「伝えたいことが伝わらない……」
「メンバーから意見が出ない……、本気で考えてくれているのだろうか……」

などと、もどかしさを感じる上司も多いようです。

阿吽の呼吸や、察する文化に慣れ親しんだ世代は、カメラオフの状態で発言しない人がいると、「ちゃんと会議に参加しているのか」といった疑心を持つことが多いようです。メンバーに対し疑心を抱いた上司がそんなことばかりを気にしていたら、生産的な会議はできません。

「見える化」を徹底しよう

生産性の高いWeb会議のポイントは"見える化"です。5つのポイントを以下に示します。

(1)顔の見える化

Web会議は「顔出し参加」をルールにしましょう。Web会議は画質が悪いことも多く、表情などの非言語情報が伝わりにくい弱点があります。そこで、従来よりも大きく頷いたり、きちんと言葉に出して同意するなど、アクティブリスニングやオーバーリアクションもルールとしてお願いしましょう。

(2)全体像の見える化

会議の目的、ゴール、メンバー、かける時間を見える化しましょう。日本の企業における会議では、目的や終わる時間があやふやなものが多いと言われます。お勧めはアジェンダを毎回用意することです。

(3)会議コミュニケーションの見える化

Web会議システム内のホワイトボードなどで、会議の内容を視覚化しながら整理していきましょう。Googleの無料ツール「ジャムボード」を使えば、付箋も使えます。この付箋に、それぞれのメンバーが意見を書き出して発表するなどの工夫で、参加意識も高めることが出来ます。

(4)決定事項の見える化

上司は会議時間内に必ず決断し、その内容を参加メンバーと共有しましょう。会議で決め切れなかった場合でも、「翌週には決めて、発表する」などと決めて、消化不良にならないようにすれば大丈夫です。

(5)役割の見える化

会議で決めた内容について、個々のメンバーがどんな役割をするかを決め、その役割への想いを宣言してもらいましょう。

また、会議の最後には、全体像を振り返りながらまとめる時間をとっていきましょう。

生産性の高いチームには"心理的安全性"があると言われます。会議の中で相互理解を深めるとともに、チーム成果に繋がる意見をためらいなく発言できる場をオンラインにも作っていきましょう。5つのポイントをおさえて、会議の生産性を高められるかどうかは、上司にかかっています。頑張ってください。

【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。