メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、同チームは次戦第10戦イギリスGPでマシンのアップグレードを行うと述べ、それが今シーズン最後の改良になる可能性を示唆した。しかしルイス・ハミルトンは、そのアップグレードでレッドブル・ホンダとの差を大幅に縮めることは難しいと考えている。
F1ハイブリッド時代に無敵の強さを誇ってきたメルセデスだが、今年はパフォーマンス不足とアクシデントにより振るわず、レッドブル・ホンダとマックス・フェルスタッペンの後塵を拝し、ポイント差が毎戦拡大している状況だ。
シュタイアーマルクGPの後、ウォルフは2021年型W12の開発作業をストップしたと発言したが、その直後に技術ボスのジェームズ・アリソンが、2022年型マシンの開発に重点を当てているものの、今季アップデートの予定はまだあると述べた。
オーストリアGPのFP1でフロービズでのテストを行っていたことから、今後の現行マシンの開発について聞かれたウォルフ代表は、現状と今後のプランを改めて説明した。
「風洞は今年のマシン用には使用していない。フローの状況を理解し、CFDで確認するが、大きなパーツ変更は行わない」
「シルバーストンで一度マシンに開発物を導入する予定だが、風洞はかなり以前から(今季型には)使用していない」
ハミルトンは、タイトル獲得を目指して最後まで戦うと述べているが、次戦のアップデートによってレッドブル・ホンダとの力関係を逆転することができるとは考えていない。
「小さなアップデートが予定されているけれど、ギャップを十分に縮めることにはならないだろう。さらにやるべきことがある」とハミルトン。
「僕としては次のレースでは違うシナリオになることを祈っているが、彼らのマシンはレールの上を走るように安定している」
「この2週間、全力を尽くしてきた。毎週ファクトリーに行って、マシンからできる限りパフォーマンスを引き出そうとしてきた」
「でもどういうわけか、レッドブルリンクで僕らのマシンはうまくいかなかった。今後のレースでは力を発揮してくれることを願っている」