アニメーションスタジオ・MAPPAの設立10周年を記念したイベント「MAPPA STAGE 2021 -10th Anniversary-」が、去る6月27日に東京・J:COMホール八王子で開催された。イベントはこの日お披露目となった「MAPPA 10th Anniversary Movie」から幕開け。天津・向清太朗が総合MCを務め、約5時間にわたり新作アニメを中心にステージが展開されていった。本記事では第1部「ゾンビランドサガ リベンジ」「平穏世代の韋駄天達」「RE-MAIN」のステージをレポートする。
【大きな画像をもっと見る】先日最終回を迎えたばかりの「ゾンビランドサガ リベンジ」のステージには、源さくら役の本渡楓、二階堂サキ役の田野アサミ、水野愛役の種田梨沙、紺野純子役の河瀬茉希、ゆうぎり役の衣川里佳、星川リリィ役の田中美海の6人が登壇。2期のライブシーンを振り返りながら、10月16日・17日に千葉・幕張メッセで開催予定のライブイベントへの期待や意気込みを語っていった。花澤香菜演じる楪舞々がメンバーに加わった「ぶっちゃけてフォーユー」については、花澤のライブ出演も決まっていることから、本渡が「ライブでこの曲をやらなかったらもったいなさすぎる!」とコメント。「ラインダンスが再現できたら楽しいし、学園祭のように盛り上がれたら」と期待を述べた。ゆうぎりのメイン曲「佐賀事変」は、前回のライブで衣川が初めて生歌唱した楽曲。衣川は当時を「プレッシャーで記憶がない(笑)」と振り返りつつ、「次のライブでは喜一くんや伊東さん、皆さんのことを思って歌いたい」と語った。
またCMなしの放送で話題を呼んだ最終話の裏話も。サキが佐賀の人々へラジオからメッセージを届けるシーンは、「『田野さんの好きなように、田野さんの“間”で演じてください。あとはMAPPAが絵を合わせます』って言ってくれたんです」と、田野の演技に合わせて描かれたことが明かされる。河瀬も「オンエアを見て、サキちゃんがアフレコのときのアサミさんと同じ表情をしていて感動しました」と賛辞を贈った。「追い風トラベラーズ」のシーンでは、種田が「『輝いて』も“泣き曲”なんですが、さくらがこの曲で泣くんです」とさくらの涙に注目。本渡は「レコーディングでも“どのくらい泣くか”を大事にして、何パターンか録ったんです。使われたのはアイドルとして、プロとしての気持ちを持って、最後まで涙をこぼさないようにして歌い切るというバージョンですね」と明かした。トップバッターとしてステージを華やかに盛り上げた6人。最後に田中は「10月のライブ以降は何も決まってないんです。皆さんの応援で、これからフランシュシュがどうなっていくのかを見ることができると思いますので、これからも応援してくれたらうれしいです!」と呼びかけた。
続いては、7月22日にフジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて放送がスタートするアニメ「平穏世代の韋駄天達」ステージ。ハヤト役の朴璐美、イースリイ役の緒方恵美、城所聖明監督が登壇した。天原とクール教信者が手がける原作を初めて読んだときの印象について、朴は「マジでグロくてエロいと思いました。平和ボケしちゃってる神様たちのお話なのかなと思ったんですが、タイトルの印象を気持ちよく裏切られました」と意外性を語る。緒方も「直接的なグロが目的ではなくて、中心にあるのは“王道さ”なんですよね。観ているそばから裏切られる、それが気持ちいい作品です」と話した。またハヤトがどんなキャラクターか尋ねられると朴は「“脳筋”です。それ以外言いようがない」と断言。これには緒方も「日本のアニメ史上、一番筋肉バカなキャラクターです。鍛えるのがハヤトの正義なんですよ」と深く頷きつつ、「戦うシーンでは、朴さんがいろんな種類のアドリブをぶちかましてくれるんです。若い声優に観ろ!と伝えたい(笑)」とアピールした。そして自身の役どころについては「イースリイはめちゃくちゃセリフ量が多いキャラクター。2話に1回くらいは“高速回転”で言葉を発します」と説明。それを受け城所監督は「BPM高めのテンポのよいスピード感を意識しました。朴さんと緒方さん、豪華な2人の掛け合いも注目ですし、現場ではとにかくぶっとんだ感じを出そうと、スタッフもキャストも一丸となって作っています」と続けた。
また緒方はアフレコ現場の雰囲気を「男女ともに、歴戦の“やべえ”人たちが、みんなぶっ飛んだ芝居をしているので、アフレコスタジオが本当に面白いんですよ」と伝える。ポーラ役の堀江由衣からビデオメッセージも到着し、堀江は「“韋駄天”と“魔族”との頭脳戦がメインとなっているんですが、神様同士のはずなのにどこか抜けているところがあって、絵柄もポップなのに突き刺さるところが見どころですね」と魅力を伝えて会場を盛り上げた。最後に朴は、「毎回台本や作画から『考えるより先に行動してしまえ』と指令を受けているような感覚です。全員アクセル全開で挑んでおりますので、そのエネルギーをしっかり感じて、気持ちよく違和感を感じ、気持ちよく裏切られていただけたら」とメッセージを贈った。
7月3日より毎週土曜日テレビ朝日系全国24局ネット「NUMAnimation」枠にて放送中の「RE-MAIN」からは、主人公・清水みなと役の上村祐翔、総監督・シリーズ構成・脚本・音響監督を務める西田征史、監督の松田清が参加した。水球のスター選手だったものの、記憶喪失で中学3年間の記憶を失ったみなとが、高校の弱小水球部で再び水球に挑むさまを描く「RE-MAIN」。中学で水泳部、高校で水球部に所属していたという西田総監督は「40超えて人生を振り返ったときに、仕事やお金関係なく打ち込んでいたのってあの時期だけ。それで部活ものがやりたいというのと、水球はちょっとマイナーなので、これをきっかけに広げていきたい」と題材選びについて語る。上村は、脚本家である西田総監督から受けるディレクションが新鮮だと言い、「みなとはけっこうモノローグが多いんですが、モノローグは淡々と語ったり状況を説明したりすることが多い。みなとはむしろ、モノローグに感情をめちゃくちゃ乗せてる」と作品の特徴を語った。
今作で初めてMAPPAとタッグを組む西田総監督だが、上村からMAPPAの印象を聞かれると「素晴らしいですね」と一言。「メインスタッフが皆さん本当に若くて、活気がすごいんです。1人ひとりがちゃんと自分で考えて動いているのを感じる」と絶賛する。ステージではロケハンの写真や、水球選手による取材協力の模様も紹介され、制作の裏側を垣間見ることができた。松田監督は「アニメには枚数制限があり、水を絡めるとどうしても枚数がかかっちゃうんです。枚数をいかに抑えながら見栄えをよくするか、撮影さんやCGさんに助けてもらいつつ試行錯誤しています」と明かす。西田総監督も「水球って水の中でずっと巻き足という動きをしてるんですよ。ほかの作品なら立ち話のような場面でも、ずっと動いていないといけない」と、この題材ならではの見えない苦労を語った。最後に上村は「本当に愛のある方ばかりで作らせていただいていまして、細やかで緻密に作られている『RE-MAIN』。それぞれの登場人物にすごく感情移入できる作品だと思うので、どうぞ放送をお楽しみに」とアピールし、第1部を締めくくった。
なお「MAPPA STAGE 2021 -10th Anniversary-」の模様は、MAPPA公式YouTubeチャンネルでアーカイブ配信中だ。
■ 「ゾンビランドサガLIVE~フランシュシュ 佐賀よ共にわいてくれ~」
日時:2021年10月16日(土) 開場16:30 / 開演18:00、10月17日(日)開場11:30 / 開演13:00
会場:千葉県 幕張メッセ 国際展示場7・8ホール
出演:本渡楓、田野アサミ、種田梨沙、河瀬茉希、衣川里佳、田中美海、花澤香菜
■ TVアニメ「平穏世代の韋駄天達」
□ 放送情報
2021年7月22日(木)より、フジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて毎週木曜日24:55~
□ 配信情報
FOD、Amazon Prime Videoにて独占見放題配信
※第1話はTV放送直後に配信
※第2話以降、TV放送後に次週放送回を先行配信
□ スタッフ
原作:天原・クール教信者「平穏世代の韋駄天達」(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督:城所聖明
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:大津直
総作画監督:大津直、北尾勝
コンセプトアート:スカイエマ
美術監督:田村せいき
色彩設計:鎌田千賀子
3DCGディレクター:金子拓磨
撮影監督:加納篤
編集:柳圭介
音響監督:長崎行男
音楽:出羽良彰
アニメーション制作:MAPPA
□ キャスト
ハヤト:朴璐美
イースリイ:緒方恵美
ポーラ:堀江由衣
リン:岡村明美
プロンテア:石田彰
ギル:伊藤静
ピサラ:瀬戸麻沙美
ニッケル:上坂すみれ
コリー:石上静香
ネプト:天田益男
ミク:伊瀬茉莉也
ブランディ:本名陽子
タケシタ:宮本充
オオバミ:チョー
■ オリジナルTVアニメ「RE-MAIN(リメイン)」
2021年7月3日(土)よりテレビ朝日系「NUMAnimation」枠にて毎週土曜日25:30~
□ スタッフ
原作:西田征史・バンダイナムコアーツ・MAPPA
総監督・シリーズ構成・脚本・音響監督:西田征史
監督:松田清
キャラクター原案:付藤加青浬
キャラクターデザイン:田中志穂
音楽:うたたね歌菜(TaWaRa)
制作:MAPPA
□ キャスト
清水みなと:上村祐翔
岡栄太郎:西山宏太朗
城島譲:木村昴
網浜秀吾:斉藤壮馬
江尻武一:古川慎
猪俣ババヤロ豊:畠中祐
牛窓善晴:廣瀬大介
川窪ちぬ:Lynn
百崎陸:内田雄馬
垣花慶太:八代拓
渡久地光輝:宮里駿
富山健:花江夏樹
福井晃久:高杉真宙(特別出演)
石川則道:松岡禎丞
備前昭充:緑川光