IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第6戦ワトキンス・グレンを制したウェーレン・エンジニアリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)31号車キャデラックDPi-V.Rのピポ・デラーニは、チームが採ったオルタナティブな戦略に「大きな自信を持っていた」と語った。その戦略が、チームの約1年ぶりとなる勝利を引き寄せたという。
デラーニとフェリペ・ナッセは、2020年7月に開催された『キャデラック・グランプリ・オブ・セブリング』以来の勝利をワトキンス・グレンで収めた。彼らは予定よりも早い12周目でのピットインを選択し、2時間40分で争われた決勝レースを制している。
もし、サーキットが位置するエリアにおける雷のための45分間の赤旗中断がなかったとしたら、この戦略は彼らに4回のピットストップを強いる可能性が高かった。なお、序盤にポジションを争い、最終的には2位となったチップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックは、最初のピットインを23周目まで引っ張っている。
ポールポジションからスタートしたウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05と比べて総合的なペースでは苦戦するなか、そして雨がレースを混乱させる可能性が高い状況下で、デラーニは早い段階で戦略的な動きを採ることに自信を持っていたという。
「アキュラを追い越すために、何か違うことをする必要があるのは、最初から分かっていた」とデラーニはレース後に説明した。
「早い段階でピットストップを行なうことは、その戦略の一部だった」
「そのような状況では、本当にそれがうまくいくのかどうかを知ることはできない」
「ギャンブルをしているため、もう1回の追加ピットストップが必要になる可能性はある。だけど、3位や4位でフィニッシュするよりも、勝利のために賭けに出たい、と言ったんだ」
「僕らはチームと戦略、そしてドライバーに大いなる自信をもってこの決定をした。うまくやれると、僕らは互いに大きな自信を持っていたんだ」
イエローの直前に2回目のピットに入り、デラーニからバトンを受けていたナッセは、赤旗からのレース再開後の一斉ピットで多くのチームがタイヤ交換とドライバー交代をするなか、わずかな燃料を補給するだけで済み、リーダーに浮上した。
「チームは素晴らしい戦略、素晴らしいピットストップを遂行したと言わざるを得ない」とナッセは述べている。
「ピポは序盤に素晴らしいドライブをしてくれ、僕らにチャンスをもたらしてくれた」
「この種の決定は非常に難しいが、純粋な決断によってそれが行なわれるのは好きだし、それにコミットできるというものだ。チームは正しい決定をしてくれたと感じた」
「(勝利は)久しぶりだね。勝利に近づいたレースもあったけど、それはなかなか手にできないものだった」
赤旗が出なかったとしても同じポジションでゴールできた可能性は高いかと尋ねられると、デラーニとナッセはともに今回の戦略には自信を感じていた、と口にしている。
「時間は刻々と過ぎ、レースがいつ再開されるか分からなかった」とナッセ。
「あと1時間なのか、あと1時間15分なのか、と」
「それらについては、いくつかの異なる計算があった。だけど、すでに僕らはオルタナティブな(代替の/オプション的な)戦略にコミットしていたし、最終的に何かがうまく手に入れられたらと望んでいた。それが達成できてうれしいよ」