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NMB48 白間美瑠が語る、11年間のアイドル人生の集大成『REBORN』「これがファンのみなさんに対する感謝の表し方」

2021年07月03日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NMB48からの卒業を発表している白間美瑠が7月7日、自身2冊目の写真集となる『REBORN』(ヨシモトブックス)を発売する。撮影は白間美瑠本人の強い希望によりアンディ・チャオが担当。11年間のアイドル人生の集大成として、自分らしさを表現すべく、衣装にも細かくこだわったセルフプロデュースによる一冊となっている。


 前作『LOVE RUSH』(集英社)の発売から約2年。アイドルやグラビアなど、さまざまな活動を通して培ってきた表現力の全てを解放すべく、自分自身と向き合った屋久島での3日間。NMB48の白間美瑠としてこれはひとつの集大成となるが、表現者・白間美瑠としてはここからがさらなるスタートと言えるのではないだろうか。本作から、そして白間美瑠が話す言葉から、彼女のなかに眠っている限界知らずの力を強く感じた。(とり)


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■全力で自分を表現したグラビアの集大成


――これまでのグラビアではなかったようなカッコいい表情があり驚きました。それこそ、2019年6月に発売された1st写真集『LOVE RUSH』と見比べると、全然違う印象に見えますね。


白間:改めて見比べると全然違いますね。言っても2年前の写真集やのに、1stの表情はめっちゃ幼く見えます(笑)。1stではフレッシュな姿を撮ってもらいましたが、今回はギャップのある姿をお見せしたかったので、笑顔がほとんどない写真集になりました。みなさんにも、大人になったなぁと感じていただけるんじゃないかと思います。


――この2年の間で、表情の作り方にも変化があったのでは?


白間:確かに、変わりましたね。韓国の公開オーディション番組『PRODUCE 101』とAKB48グループのコラボで2018年から始まった『PRODUCE 48』(以下、プデュ)に出させていただいたとき、ファンの方に表情管理をよく褒められたんです。楽曲ごとに全然違う表情をしていたり、歌詞に合わせてコロコロ表情が変わったりするのが面白くてかわいいって。それまでステージに立つときは、歌やダンスの練習に力を入れていたんですけど、表情管理が自分の武器なんやと気づけたので、そこからは表情に特化した練習もするようになりました。それがグラビアでの表情にも影響したのかもしれないですね。


――カメラマンとしてアンディさんを指名されたのはなぜですか?


白間:まず、大人になった姿をお見せするにあたって、私の内側から溢れ出る力強さみたいなものを表現したいと考えていました。そこで、私が抱くイメージに近い写真集や雑誌グラビアを見たとき、偶然にも、どのカメラマンもアンディさんだったんです。今までアンディさんの作風みたいな生々しい感じのグラビアはやったことがなかったですし、卒業に向けて一歩踏み出したい思いもあって「もうこれはアンディさんに撮ってもらうしかない!」と思い、お願いすることになりました。


 アンディさんと初めてお会いしたのは、打ち合わせのときでした。最初は物静かで少し怖い印象を受けたんですけど、「なぜ僕を選んでくれたんですか?」「どんな写真集にしたいですか?」と私の意見を積極的に聞いてくださって。最後は「将来に繋がる写真集になるといいね」と背中を押してくださったんです。打ち合わせの時点で心が通いあった気がしました。両思いやん!って(笑)。


――撮影中はいかがでしたか?


白間:静かな空間のなか、一対一で真剣に向き合ってくださったので、集中して撮影できました。集中しすぎて勝手に涙が出てきたほどです。自分の内側と向き合ううちに、NMB48で過ごした11年間のこと、辛かったこと、嬉しかったことを思い出していました。NMB48に入ったからメンバーやスタッフさん、そしてたくさんのファンの方に出会うことができましたし、家族含め、みんなが支えてくれたから、今の私があるんやなぁって……。気持ちが溢れて止まらなかったです。


 それに、アンディさんってめっちゃ体力あるんですよね。どっちが先に疲れるかの戦いでした(笑)。私、そういう熱い感じ、凄く好きなんです。「負けへんぞ!」って、撮影を追うごとにどんどん気合が入りました。最終日に近づくに連れて、最初は怖いと感じていたアンディさんの表情が小学生のように無邪気になっていったんですよ。手応えを感じられて、嬉しかったですね。


――衣装にもこだわったそうですね。衣装選びのポイントは何だったんですか?


白間:あまり柄が入っていないシンプルな衣装を選ぶようにしました。自分を表現するためにも、衣装に助けられたくはなかったので。


――そのなかで、いちばん自分らしさを表現できた衣装はありますか?


白間:初めに着ている赤色のドレスですかね。霧のかかった森のなかで踊っているところを撮ってもらって、妖精の気分でした。表現したかった”内側から滲み出る力強さ”を表せた気がします。


――ちなみに、白間さんにとってグラビアは、昔から自己表現の場所だったんですか?


白間:そうですね。本当にグラビアが大好きなので、どの撮影でも常にイキイキしていました。カメラマンさんを楽しませて、最後は絶対に笑顔にさせようって気持ちで挑んでいましたから。ソロで撮っていただくことがほとんどだったので、自分らしさも出しやすかったですしね。


――48グループのなかでも、NMB48は特にグラビアへの意志が強いメンバーが揃っていますよね。体の見せ方から表情まで、みなさん目一杯自分を表現されている印象があります。それは白間さんが作ってきた道でもあると思うのですが、ご自身としてはいかがですか?


白間:そう言っていただけると嬉しいです。まぁ、さや姉(元NMB48・AKB48の山本彩)の背中も大きいですけどね(笑)。でも、楽屋での着替え中にメンバーの体を見て「グラビア向いてんで! 絶対やりや!」って声をかけることはあります。グラビアはNMB48のいちばんの武器やと思っているので、後輩たちには今後も受け継いでいってもらわないと。


――そういう意味でも本作は、白間さんが築き上げてきたグラビアの集大成となっているわけですね。


白間:それは間違い無いですね。11年間の活動を振り返ったとき、いちばん自信に繋がったお仕事は何だったかな?と考えると、やっぱりグラビアなんですよね。だから最後に卒業記念写真集として、自分がいちばん自信を持てる姿を形に残すことができて大満足です。


――卒業後もグラビアは……?


白間:やらせていただけるなら、全然脱ぎます。何歳でも。みなさんが見てくださる限りは!


■努力と夢


――NMB48で11年間活動されてきたなかで、学んだことは何ですか?


白間:努力ですね。初めは何も知らずに自信満々で加入したんですけど、当然ながら私よりダンスが上手い子やかわいい子がたくさん揃っていて、そこで一度挫折を味わいました。でも、いちばんできないメンバーだったからこそ、いちばん努力しないといけないなくて、みんなでレッスンを受けた後、ひとりでどれだけ練習できるかが大事でした。


――ひとりで努力を続けられるのも凄いことだと思います。


白間:頑張れば頑張るほど握手会の列や総選挙の順位に反映されるので、やりがいを感じながら続けてこられましたね。もちろん下がったら辛いですけど、数字としてちゃんと結果が出るので、「次はあの子に勝ちたい」と思っていた子を追い抜くことができたときは、とても嬉しかったです。


 それに心配症なので、しっかり練習しないと不安なんですよ。ひとつもミスすることなくできたときは本当に気持ちがいいですし、頑張って良かったって、達成感や自信に繋がっていくんですよね。だから自分が納得いくまで練習しちゃうというか。今もこうして活動を続けられているのは、努力することの大切さを学んで、それを続けてきたから。これからも、持ち前の負けん気で頑張っていきたいですね。


――そんな白間さんが、最後の1期生としてグループを牽引する存在になりましたね。


白間:12歳で加入したときは、ずっと泣いていましたからね。お騒がせなメンバーでした(笑)。ただ、同期のお姉さんメンバーにはいろんなことを教えてもらってきたので、みんなの卒業を見送ってから最後に卒業することが、支えてくれたメンバーやスタッフさん、ファンのみなさんに対する感謝の表し方なんじゃないかなぁっていうのはずっと考えていました。絶対に最後まで残って、私が教わってきたことを後輩たちに伝えてから卒業したいなって。


――ではまさに今、学んできたことを後輩たちに伝授している最中なんですね。


白間:はい。言葉で伝えるのは苦手ですが、私が伝えられることは全部しっかりと伝えてから卒業したいと思っています。後輩みんな、心優しい子たちばかりなんですよ。それはいいことですけど、「私なんかでいいんですか?」って遠慮しがちなのはよくないですよね。そこは「もっと自分を出してええねんで」って伝えています。ただ、先輩がいるから出しにくいって子もいるはず。私が卒業することで一期生が全員いなくなるので、もう遠慮せずにどんどん前に出ていってほしいですね。


――今後はソロアーティストとして活動していくとのことですが、改めて、卒業後の夢や目標はありますか?


白間:日本だけじゃなく、海外でもコンサートができるくらいの存在になるのが目標です。こんな大きな夢を持てているのも、NMB48の白間美瑠を支えてくれたファンの方のおかげ。昔は人前に出ることすら苦手だったのに、ファンのみなさんが「美瑠なら絶対にセンターに立てるよ」って応援してくれたから、今堂々とステージに立って自分を表現することができています。いろんな人の支えがあって活動できた11年間だったので、卒業後は自分の力で恩返ししていきたいですね。これが、卒業後のもう一つの夢です。


(写真=髙橋慶佑)