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日野チームスガワラ、2022年ダカールラリーに初のレース用ハイブリッド搭載車を投入へ

2021年07月02日 12:11  AUTOSPORT web

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日野チームスガワラの2022年ダカールラリー参戦車両イメージイラスト
日野自動車は6月30日、来年2022年1月2~14日に中東のサウジアラビアで開催されるダカールラリー2022に、引き続き日野チームスガワラとして参戦することを発表し、同大会で日野初のレース用ハイブリッドシステムを搭載した『日野レンジャー(日野600シリーズ)』を投入することを明らかにした。

 日本におけるダカールラリーの象徴的存在のひとつとなっている日野チームスガワラは1991年、日本の商用車メーカーとして初めてこの過酷なラリーに参戦。排気量10リットルを超えるモンスタートラックが部門上位を占めるなか、「小よく大を制す」をモットーに小排気量の日野レンジャーでライバルたちに挑み続けてきた。

 そのなかで数々の伝説を作り上げてきたチームは、30回目の挑戦となった2021年大会において、トラック部門の排気量10リットル未満クラスで大会12連覇を達成した。

 そんな日野チームスガワラは、前回大会に続き3度目のサウジアラビア1国開催となる2022年大会で新たなチャレンジに打って出る。それがハイブリッドマシンでのダカール参戦だ。

 日野はこのプロジェクトについて、「ラリーという量産車開発では経験できない挑戦を通し、若きエンジニアが成長するとともに、日野が長年培ってきたHV技術で挑むことで、将来のEV化に繋がる制御技術を磨き、日野自体の技術力向上へとつなげていく」としている。

 ハイブリッド・レーシングトラックのベース車となるのは日野の北米専用車、ボンネットを有する『日野600シリーズ』で、2020年大会で使用された車両を改良するかたちで開発が進む。2022年型の“リトルモンスター”は車両の軽量化が図られるとともに、同社初のレース用ハイブリッドシステムと高出力エンジンを組み合わせたパワートレインによって圧倒的な動力性能を備え、上位争いを確実に狙える車両へと進化している最中だ。

 日野チームスガワラは今後も開発とテストを継続し、チーム代表も兼務する菅原照仁が駆る車両を熟成させていく予定。そして来年1月、サウジアラビアで行われる“世界一過酷”と言われるラリーに挑戦する。

「これまで水面下で準備を進めてきたハイブリッドマシンがいよいよ実戦デビューとなります」と語るのは、ドライバー兼チーム代表の菅原。

「まったく新しいチャレンジとなりますが、開発陣の英知を結集したニューマシンで、総合上位争いに食い込めるよう、万全の準備を整えて参ります。ご期待下さい」

■日野自動車 2022ダカールラリー参戦車両 主要諸元
ベース車両日野レンジャー(HINO 600シリーズ)エンジン型式A09C-TI(ターボインタークーラー付き)エンジン形式ディーゼル4サイクル直列6気筒排気量8.866Lエンジン最高出力800PS (588kW)/2900rpmエンジン最大トルク234kgm (2295Nm)/1700rpm HV最高出力280PS (206kW)システム最高出力1080PS (794kW)駆動方式フルタイム4WDトランスミッションAT(前進6速・後退1速)トランスファーHi-Loレンジ切替付、センターデフロック付タイヤXZL 14.00R20車両重量8600kg全長6700mm全幅2500mm全高3100mmホイールベース4170mm燃料タンク800L