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H&Mが中国で低迷 新疆綿問題をめぐる不買運動が影響か

2021年07月01日 19:42  Fashionsnap.com

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「H&M」のロゴ Image by: FASHIONSNAP
H&M ヘネス・アンド・マウリッツグループ(以下、H&Mグループ)が、2021年度第2四半期(2021年3月1日~5月31日)の業績を発表した。前年は新型コロナウイルスのパンデミックが発生していたこともあり、総売上高は前年同期比62%増の465億900万スウェーデンクローナ(約6046億円)と大幅に回復。しかし、新疆綿をめぐり不買運動があった中国市場の売上高は28%減の16億2400万スウェーデンクローナ(約211億円)となり、同グループの上位10位に入る市場の中で唯一のマイナスを記録した。

 中国では、H&Mを含む複数の海外企業が新疆ウイグル自治区で生産される新疆綿の調達を停止する方針を表明したことを受け、今年3月に関連製品の不買運動が発生。H&Mに関しては中国国内の大手ECサイトで商品が検索できなくなるなど深刻な事態に発展したことで、大幅な売り上げ減少に繋がった。騒動が収束しなかったことから、同グループは「中国は非常に重要な市場。信頼の回復に努める」と声明文を同月末に発表。今後は、コロナと新疆ウイグルで売り上げが低迷する中国市場での巻き返しに注力すると見られるが、同社においてドイツ、アメリカに次いで3番目に大きなマーケットだった中国市場が今四半期ではイギリス、ロシア、スウェーデンに抜かれ、6番目に低下している。事態の長期化を予想する企業も多く、中国以外のマーケットにシフトする動きもあるなかで同社の今後の対応に注目が集まる。
■H&Mグループ 2021年度第2四半期 各市場の売上高 ※()は前年同期比SEK=スウェーデンクローナアメリカ 71億1100万SEK(+204%) 店舗数:552ドイツ 62億9700万SEK(+21%) 店舗数:450イギリス 33億800万SEK(+89%) 店舗数:278ロシア 21億200万SEK(+161%) 店舗数:161スウェーデン 20億3500万SEK(+25%) 店舗数:160中国 16億2400万SEK(-28%) 店舗数:489スイス 15億8600万SEK(+50%) 店舗数:95フランス 14億9700万SEK(+26%) 店舗数:223オランダ 14億8300万SEK(+32%) 店舗数:126イタリア 13億4900万SEK(+98%) 店舗数:171その他 181億1700万SEK(+70%) 店舗数:2208