レッドブル・ホンダF1代表のクリスチャン・ホーナーは、2021年F1選手権においてリードを広げつつあるなか、当然のことながら2022年型の開発作業とのバランスを考えながらシーズンを戦っていくと語った。
レッドブルとメルセデス、そしてマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンはそれぞれ激しいタイトル争いの真っただ中にいる。第8戦シュタイアーマルクGPでフェルスタッペンが優勝し、コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権において、レッドブルとフェルスタッペンが、メルセデスとハミルトンに対するリードを広げた。
現在、レッドブルRB16Bの方がメルセデスW12よりも明らかに競争力が高い。シュタイアーマルクGPで敗れたハミルトンは、レッドブルと戦うためにはマシンのアップグレードが必要であるとチームに対して訴えた。しかしチーム代表のトト・ウォルフは、チームは2022年の開発にリソースを集中させることを決めたと発言した。
「いつかは我々にとって厳しいときがくると分かっていた。それが今やってきたということだ」とウォルフは認めた。
「今年の開発は終了した。来年はとても重要だと考えている。物事を正しく行う必要がある。彼ら(レッドブル)は新パーツを導入し続けている」
「レッドブルは今も積極的に開発を続けているが、我々は2022年に主眼を置いている」
その後、メルセデスF1の技術責任者であるジェームズ・アリソンは、ウォルフはW12の開発を100パーセント終えたと言いたかったわけではないと釈明し、規則が大幅に変わる来季への作業に焦点を移してはいるものの、今後アップグレードを行う計画はあると明かした。
レッドブルのホーナー代表は、メルセデスの方針とは関係なく、自分たちにとって最善の方法で仕事を進めていくことに集中していると語った。タイトル争いのなかで、今季型と来季型の開発作業のバランスをうまくとっていくことができると、ホーナーは考えている。
「メルセデスが何をやるのかは完全に彼らの問題だ。だから我々は自分たちの仕事に取り組むだけだ」とホーナーは言う。
「トトは自分たちから関心をそらしたがっているのだ。彼らがマシンにひとつも新しいコンポーネントも加えないままで、今年残りの期間を乗り切るとは、到底信じられない」
「先ほども言ったとおり、我々にできるのは自分たちの仕事に集中することだけだ。もちろん、今年のための作業と来年のための作業を、うまくバランスをとって行っていく必要がある。そのために他のチームよりも少々ハードに仕事をこなしていかなければならないのだとすれば、そうする準備は完全に整っている」
ホーナーは、レッドブルは2021年シーズンに強力なスタートを切ったことで比較的余裕のある状況ではあるが、来年へのリソース切り替えの時期については慎重に判断する必要があると語った。
「我々が競争力のあるマシンでシーズンを戦い始められたのは、ずいぶん久しぶりのことになる。その後もマシンの最適化を進め、調整を続けてきた」
「どのチームも、2021年型マシンの競争力はすでに最大化しているため、あとは小さな改善を重ねていくだけだ。一方で、来年の新しいマシンの方は、当然だが開発サイクルを進めるたびに著しい進歩を遂げる」
「つまり、今年のためのマージナルゲインと来年のための大きな進歩との最適バランスを見つける必要がある。しかしそれは昨年までやってきたことと何も変わらない」