2021年06月29日 12:01 リアルサウンド
ファミリーコンピューターの後継機として発売され、グラフィックの美しさやソフトのゲーム性など、日本における家庭用ゲーム機の進化の一翼を担ったスーパーファミコン。
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ファミコン時代は迷作も多かった「漫画発祥のゲームソフト」だが、スーパーファミコンソフトについては進化とともに、評価される作品も増えた印象がある。しかしなかには、「えっ?」と叫びたくなるようなユニークなソフトも存在した。
■『北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章』
『週刊少年ジャンプ』に連載され、アニメ化もされた『北斗の拳』を扱ったソフトだ。
スーパーファミコンの音楽やグラフィックを活かした作品で、ロールプレイングゲームになっているのだが、このゲームはシナリオがパラレルワールドとなっていて、原作のテイストが全く入っていない。
なかでもプレイヤーを驚かせたのが、オープニングでケンシロウが岩に押しつぶされ、「北斗神拳伝承者ケンシロウはしんだ」と表示されること。実際にはゲーム中盤で復帰するのだが、絶対的ヒーローのケンシロウがオープンニングで「死亡扱いされる」のは、かなりショッキングだった。
さまざまな評価があるソフトだが「別作品のパラレルワールド」として、楽しんだプレイヤーも多かったようだ。
■『テレビアニメ スラムダンク 四強激突』
井上雄彦の人気バスケットボール漫画『スラムダンク』を扱ったゲーム「テレビアニメスラムダンク四強激闘」だ。
当時として革新的だったアニメーションや原作を踏襲したストーリーモードを評価する声もあるのだが「ボタンを連打しなければならない」「1試合20分もあって長い」「操作がよくわからない」などの不評もあった。
しかしスーパーファミンのスペックを活かしたストーリーや、桜木花道など登場人物がカットインされるグラフィックは多くの人を感動させた。
■『らんま1/2 奥義邪暗拳』
らんま1/2のスーパーファミコンソフト。PCエンジンとスーパーファミコンで対戦格闘ゲームが複数作品発売されたこともあってか、奥義邪暗拳は「ぷよぷよ」のような「落ちものパズルゲーム」となった。
ストーリーモードと、落ちものパズルゲーム特有のドキドキ感の融合を評価する声も多かったのだが、「らんまじゃなくてもいいのでは」「キャラ物にする必要性を感じない」という評価もあった。
しかしスーパーファミン第一作の「町内激闘篇」や「超技乱舞篇」ど、対戦格闘ゲームが続いただけに、「これはこれで楽しい」「落ちものパズルゲームとして楽しめる」と感じた人も多かった。
■『美少女戦士セーラームーン』
武内直子の人気作品『美少女戦士セーラームーン』のスーパーファミコンゲームだ。セーラームーン、セーラーマーキュリーなど人気キャラが町を歩き、パンチやキックなどで敵を倒していく内容だ。
「セーラームーンに肉弾戦をやらせるのはちょっと」「かなりシュールな内容」との指摘も出ていたが、敵を倒していく内容に爽快感を感じたプレイヤーや、『セーラームーン』の世界観を踏襲したゲームをスーパーファミコンで楽しめることを喜ぶ声もあった。
■ゲーム機とともにソフトも進化
ファミコンの変わり種作品と比較すると「酷い」「どうしようもない」という作品は減り、どちらか問えば「評価が分かれている」作品が多いのが、漫画発祥スーパーファミコンゲームの特徴である様子。
漫画発祥のゲーム作品だけを見ても、ゲーム機の進化とともに、ファミコンソフトの質が変わったことが見て取れる。今回取り上げたゲームも、ゲーム機の進化と普及に、大きく貢献した。