6月28日、ヤマハ発動機はロードレース世界選手権MotoGPクラスのファクトリーチームに所属するマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)との契約を今シーズン末で終了すると発表した。
ビニャーレスは2020年1月28日にヤマハと2021年から2022年まで2年間の契約延長について合意。一番乗りでMotoGPクラスのシートを確保していた。
しかし、ビニャーレスからヤマハに要請があり、契約が今季限りで終了することになった。2年契約を途中解除することに相互合意したため、ビニャーレスは2021年でヤマハを離脱することになる。
また、来季からファクトリー体制で最高峰クラスに参戦するアプリリアに移籍してアレイシ・エスパルガロとコンビを組むことが噂されている。
2011年に125ccクラスからデビューを果たしたスペイン人ライダーのビニャーレス。2012年からはMoto3クラスに参戦し、2年目にチャンピオンを獲得した。
翌年の2014年はMoto2クラスにステップアップするとランキング3位に入り、2015年から最高峰のMotoGPクラスに昇格。2年間はスズキのシートを確保して戦った。
そして2017年からヤマハのファクトリーチームに移籍。当初のチーム名はモビスター・ヤマハ・MotoGP、現在はモンスターエナジー・ヤマハMotoGPからMotoGPクラスに参戦し、5年目だった。
スズキでは1勝を含む4度の表彰台を獲得。2021年の前半戦を終えた現在、ヤマハの通算では8勝を含む24度の表彰台を獲得しているが、浮き沈みの激しいシーズンを過ごし苦戦もしていた。
ビニャーレスは「ここ5年間、このパートナーシップは僕にとって非常に重要なものだったから、別れることは難しい決断だった。僕たちは素晴らしい成果と困難な時期を一緒に経験した。けれど、根底にある感情は相互の尊重と感謝だ。僕は全力で取り組んでいるし、残りのシーズンでベストリザルトを獲得するために努力する」とコメントした。
ヤマハ・モーター・レーシングのマネージングダイレクターを務めるリン・ジャービスは「今年末にマーベリックと別れることは悲しい。我々は一緒に5年目のシーズン真っ只中であり、ここ数年に渡って多くのことを達成したが、多くのダメな時期も管理する必要もあった」と述べた。
「我々の関係のなかで最も困難な週末となったドイツGP後、アッセンで重要な話し合いがあり、将来において、別々の道を進むことがお互いのためになるだろうという結論に至った。ヤマハは、これまで通りに、マーベリックを全面的にサポートし、今シーズンを可能な限り最善の形で終了するために最大限の努力を尽くす」