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トヨタは2台がデイリタイア。波乱の2日目、勝田貴元が総合2番手「サファリが本当の姿を現した」

2021年06月26日 12:11  AUTOSPORT web

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首位と18.8秒差の総合2番手につける勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)
6月25日、WRC世界ラリー選手権第6戦ケニアの競技2日目はデイ2のSS2~7が行われ、トヨタ・ヤリスWRCで参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、セバスチャン・オジエが総合4番手につけた。チームメイトのエルフィン・エバンスとカッレ・ロバンペラの両名はアクシデントによってデイリタイアを喫した。一方、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムから同戦に参戦している勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は、首位と18.8秒差の総合2番手でデイ2を走破している。

 24日(木)からアフリカ、ケニアを舞台に開催されている『サファリ・ラリー・ケニア』は翌25日(金)に競技2日目を迎え、本格的なグラベル(未舗装路)ラリーがスタートした。この日はサービスパークの南側で3本のステージを各2回走行する予定が組まれ、6本のSS、計129.78kmで争われた。

 デイ2のステージは乾燥した砂の路面で、“フェシュフェシュ”と呼ばれる粉状の細かい砂が堆積した箇所が数多くみられた。また、大きな石が散乱、深い窪みや轍が掘れたセクションも随所にあり、クルマにとって非常に厳しいコンディションでの戦いとなった。

 そんななか前日のSS1を制し、総合首位でデイ2を臨んだオジエは先頭走者としてラリーを開始。ステージの“掃除役”こなしながら走行を続ける。しかし、SS3で足回りにダメージを負い、このステージと続くSS4ではスローダウンを余儀なくされた。
 
 日中のサービスを経て“復活”した7冠王者は、その後2分10秒以上の遅れを挽回すべく午後のラリーに臨み、ここで堅実な走りをみせながらもSS7ではベストタイムをマーク。最終的に総合4番手で競技2日目を終えている。

 そのオジエを上回る好走をみせていたロバンペラは、SS2でステージ3番手タイム、SS3では2番手、SS4~5ではベストタイムを記録し一時は総合首位に立った。しかし、総合2番手で迎えたこの日最後のステージ(SS7)で深い轍にスタック。脱出不能に陥りデイリタイアとなった。
 
 また、SS2終了時点で総合4番手につけていたエバンスもアクシデントに見舞われた。彼はSS3の終盤、コース脇の茂みに隠れていた石に右フロントをヒットさせてしまいサスペンションを損傷した。この影響で走行を続けることができなくなったため、エバンスもまたデイリタイアを余儀なくされている。

 エバンスは「1日がこれほど早く終わってしまい本当に残念だ」と語り、「正直なところ、かなり基本的なミスをしてしまい、とても後悔している」と続けた。

「ペースノートに記していた情報以上に石が飛び出ていて、それに当たってしまったんだ」

■ラトバラ代表「最後まで走り切れば多くのポイントを獲得できるはず」

 日本人WRCドライバーとしてヤリスWRCで今季の全ラウンドに出場している勝田は、午前中にラジエーターを損傷、午後のループではダンパーを破損しながらも好走を続け、SS7ではオジエと同タイムでステージベストを記録。1日の終わりには総合4番手から2番手へと順位を上げ、デイ2を完走してみせた。

「今日はサファリ・ラリーが本当の姿を現した」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表だ。

「我々は良い結果で1日を終えることができそうだったが、残念ながらカッレ(・ロバンペラ)が最終ステージでこのラリーならではの問題に見舞われてしまった」

「(勝田)貴元とは今朝、安定した走りを続け冷静さを保ち続ければ必ず結果はついてくると話し合ったが、まさにそのとおりの仕事をしてくれたので、とてもうれしく思う」

「セブ(セバスチャン・オジエ)に問題が起きてしまったのは残念だが、依然いいポジションにつけているので、まだいろいろな可能性がある。カッレ(総合7番手)もそれほど大きくは遅れていないし、エルフィン(・エバンス)も再出走する予定なので、最後までちゃんと走り切れば多くのポイントを獲得できるはずだ」

 ロバンペラとエバンスが再出走を果たす『サファリ・ラリー・ケニア』の競技3日目、26日(土)のデイ3は、サービスパークの北側にあるエルメンテイタ湖の周辺で3つのステージを各2回ずつ走行していく。日中のサービスを挟んで行われる6本のSSの合計距離は大会最長の132.08kmとなり、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は387.88kmとなる予定だ。